今日のみ言葉【No.879】(2014年 9月 2日)
しかし神はわたしを受けられるゆえ、わたしの魂を陰府の力からあがなわれる。
(詩篇49:15)
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「君は何をやらせてもダメだな……」
と職場の上司が言ったら、それはパワハラ(職場のいじめ)になります。
これは指導という範囲を越えて、相手の人格まで否定していることに当たるからです。
しかし、上の立場にいたり、力に勝る人にとっては、これが相手への精神的攻撃になり、ある場合には自殺にまで追い詰めることがあるとは認識しないケースを目にします。
弱者が強者の犠牲になってしまうことがある世の中に私たちは生きています。
詩篇第49篇の記者も同じでした。
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この詩篇の記者は正しいことをしているのに、悪い心の持ち主で富も権力もある人から虐げられていました。
「わたしをしえたげる者の不義がわたしを取り囲む悩みの日に、どうして恐れなければならないのか。彼らはおのが富をたのみ、そのたからの多いのを誇る人々である。」
(詩篇49:5-6)
神に従うならば祝福の生活を送ることができる…、はずなのに、そうでない現実をしばしば目にします。
真面目に信仰に励む人に災いが続くように見え、神を信じていない人の方が伸び伸びと明るく生きているように見えます。
この矛盾に対して、彼は答を見出したので、周りの人に語らざるを得ない喜びに満たされたようです。
「わたしは耳をたとえに傾け、琴を鳴らして、わたしのなぞを解き明かそう。」
(詩篇49:4)
その解答とは、万人に平等に定められている「死」という事実です。
「彼らはまっすぐに墓に下り、そのかたちは消えうせ、陰府が彼らのすまいとなるであろう。」
(詩篇49:14)
この世だけを見つめているから苦しむ。
地上の生涯は瞬く間に過ぎ去る。
そんな一瞬の矛盾に目をとめずに永遠を見つめればこの気持ちは解決する、と彼は語るのです。
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しかしこの論理も万能ではありません。
伝道の書でソロモンはこのことに気づき、こう記しています。
「そもそも、知者も愚者も同様に長く覚えられるものではない。きたるべき日には皆忘れられてしまうのである。知者が愚者と同じように死ぬのは、どうしたことであろう。」
(伝道の書2:16)
死んでしまえば善人も悪人もない、金持ちも貧乏人も関係ない。
「知者が愚者と同じように死ぬ」としたら、生きている間に労苦して神に従って生きることに意味があるのだろうか、という疑問が湧くのです。
そうすると、
「そこで、わたしは生きることをいとった。日の下に行われるわざは、わたしに悪しく見えたからである。皆空であって、風を捕えるようである。」
(伝道の書2:17)
という虚無主義(ニヒリズム)に陥ります。
「神に従ってもどうせ滅びるのなら、できるだけ楽しみを味わいたい」という思いになるのはもっともです。
現世での幸福追求をやめろと否定することはできません。
しかし残念ながら、これが高じると
「いいじゃないの、今が良けりゃ…」
という刹那主義・快楽主義に進みます。
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これらのことを一挙に解決するのが今日の聖句です。
「しかし神はわたしを受けられるゆえ、わたしの魂を陰府の力からあがなわれる。」
(詩篇49:15)
神がわたしの命をあがなって下さる、ということです。
旧約の時代はまだ未完成でしたが、これは新約聖書のイエス・キリストの十字架によって完成されました。
贖い(あがない)とは、買い取って自由にする、ということです。
この世で不自由であり、死でもってようやく不平等感は消えるように見えても、永遠に死に縛られている私たち人間を、キリストはその命を代償として買い取り、完全に自由にして下さいました。
商売に例えると、既に契約は果たされ、取引は完了しました。
あとは永遠の命という商品が自分のものとなったと「信じて」、受け取りに行くだけです。
既にあなたのもとに宅急便で届けられているかもしれません。
用紙にサインをして、ただで受け取ればよいのです。
そして、そこから先は復活の人生を生きていけばよいのです。
「この朽ちるものが朽ちないものを着、この死ぬものが死なないものを着るとき、聖書に書いてある言葉が成就するのである。『死は勝利にのまれてしまった。死よ、おまえの勝利は、どこにあるのか。死よ、おまえのとげは、どこにあるのか』」
(第1コリント15:54-55)
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キリストの十字架によって贖われ、完全に自由になったという良き知らせをじっくりと味わう一日として参りましょう。
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