今日のみ言葉【No.3660】(2025年 6月18日)「モーセの反問」

モーセは主にむかって言った、「イスラエルの人々でさえ、わたしの言うことを聞かなかったのに、どうして、くちびるに割礼のないわたしの言うことを、パロが聞き入れましょうか」。
(出エジプト記6:12)

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かつては新聞広告が主流でしたが、それがテレビCMに移り、最近ではネット広告やウェブ検索に莫大な宣伝費が注がれるようになりました。

しかし、時代の流れは急速で、2025年3月時点では、Googleの世界における検索トラフィックのシェアが90%を下回り、約10年ぶりの低水準になったと報じられています。

これは、従来のウェブ検索よりも便利なAI(「エーアイ」、人工知能)による検索が台頭してきたためです。

現代の日本人は、スマホやパソコンを使って何でも検索し、証拠(エビデンス)を求め、AIに論理的な答えを求めるのが当たり前になりつつあります。

さて、今日の聖書箇所は、そのように論理と確証を求める々にとっては、理解しにくい部分かもしれません。

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神はモーセに、こう命じました。

「エジプトの王パロのところに行って、彼がイスラエルの人々をその国から去らせるように話しなさい」
(出エジプト記6:11)

しかし、パロはモーセの言うことを聞き入れるはずがありません。

モーセは神に対して次のように申し上げました。

「イスラエルの人々でさえ、わたしの言うことを聞かなかったのに、どうして、くちびるに割礼のないわたしの言うことを、パロが聞き入れましょうか」
(出エジプト記6:12)

ここで、「くちびるに割礼のないわたし」とは何かを解説しなければなりません。

割礼とは、神とイスラエルの間の契約のしるしです。

ですから、これは「くちびるに契約のしるしがないわたし」となります。

つまり、

「契約のしるしを実証する経験が無いので、語ることができないわたし」

ということです。

すでにモーセはイスラエルの人々からの信頼を失っていました。

彼らはモーセの言うことに聞き従わず、また、モーセ自身も自分の語り方に自信がありません。

彼は、

「語る資格や権威、あるいはその裏づけとなる実体験を持たない私」

をひしひしと感じていたに違いありません。

今までうまく行ったためしがなく、成功体験もない自分が、エジプトで最高権力を持ち、イスラエルの民を奴隷として支配するパロをどう説得するのか、とモーセは神に反問したのです。

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これに対して、神はこのようになさいました。

「しかし、主はモーセとアロンに語って、イスラエルの人々と、エジプトの王パロのもとに行かせ、イスラエルの人々をエジプトの地から導き出せと命じられた」
(出エジプト記6:13)

これは11節の命令と同じです。

もしこれが現代の職場で起きたとしたらどうでしょうか。

上司がこのような対応をしたなら、部下は納得できず、従う気にはならないでしょう。

現代のリーダーは、単に指示を出すだけでは務まりません。

部下が納得し、意欲をもって行動できるように導く必要があります。

明確かつ具体的に指示を出し、一貫した論理性と、部下に対するサポートを示し、尊重と敬意を持って、仕事を達成した後には感謝と評価を示す。

これこそ理想的なリーダーの姿です。

しかし、ここでの神は、そんなことには一切当てはまらない姿で指示を出しています。

説明も保証もつけず、ただ命じるだけのように見えます。

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神はここで、「信仰の現実」というものを提示しておられるのです。

それは、新約聖書の、

「まず神の国と神の義とを求めなさい。そうすれば、これらのものは、すべて添えて与えられるであろう」
(マタイ6:33)

に表されています。

神の言葉を堅く信じ、それに従って生きるとき、神が約束されたことが現実のものとなる。

それが信仰の本質です。

神がなさったことは、

「イスラエルの人々と、エジプトの王パロのもとに行かせ、イスラエルの人々をエジプトの地から導き出せと命じられた」
(出エジプト記6:13)

ということだけです。

モーセはこれに従い、ただ信じて行動することだけを求められていたのです。

その先を進めるのに、どのような論理的選択があるのか、また、言われたとおりに実行して、その成功を保証する論拠はあるのかなど、一切は不明です。

しかし、神はモーセに、ただ実行することを求めたのです。

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信仰の現実を体験して参りましょう。

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