今日のみ言葉【No.3532】(2024年12月21日)「生活の処方箋(196)『刷り込み』」
われわれは神のうちに生き、動き、存在しているからである。あなたがたのある詩人たちも言ったように、『われわれも、確かにその子孫である』。
(使徒17:28)
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ノーベル賞を受賞したコンラート・ローレンツ博士の研究に「ぞう亀と孔雀」というのがあります。
生まれたてのオス孔雀の雛を、ぞう亀の飼育室に入れると、孔雀はぞう亀の後をついて回りながら育ちます。
やがて思春期に達した時に、メス孔雀と一緒にしましたが、それには目もくれず、ぞう亀を親と思い、生涯その後をついて回りました。
これを「刷り込み理論」と言います。
私たちの人生でも、本物でないものがすり込まれ、それが自分を支えているかのように誤解してしまうことがあります。
そんな時には、原点に立ち返る必要があるようです。
原点とは、私たちは神の作品として創られ、生かされ、どんな過去や現状、前途があろうとも、最高の人生を生きることができるということです。
消極的な「刷り込み」を取り外し、いつも生き生きと生きる足場に、土台を築いていきたいものです。
(※田中信生の『生活の処方箋』より)
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今ある「刷り込み」を取り除くためには、現在無意識に抱いている考えを明確にし、その長所を認め、さらにそれを超える真実があることを示すことが必要です。
パウロがアテネの異邦人たちに、
「われわれは神のうちに生き、動き、存在している」
(使徒17:28)
と最初に言ったのは、今ある考えを明確にするためです。
そして、
「あなたがたのある詩人たちも言ったように、『われわれも、確かにその子孫である』」
(使徒17:28)
と、彼らのよく知る詩人の言葉を引用し、「その子孫」という表現によって、人間の存在そのものが神に依存しており、神の力によって生かされているという共通の基盤を築きました。
そうすることで、
「このパウロという男が伝えるキリストの福音は、私たちギリシャ人とは全く関係のない異質なものである」
という先入観を解こうとしたのです。
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残念ながら、パウロの試みは完全に成功したとは言えません。
彼が自分の得意とする「論理思考」でアテネの人々を説得しようとしたからです。
理論理屈で人に神を信じさせようとしても無駄に終わります。
人が神を信じるのは、聖霊の働きによるからです。
そのための橋渡しをする者として、神は私たちの存在を必要不可欠なものとして扱ってくださいます。
ですから、私たちは人間としての分をわきまえなければなりません。
そのような心構えができている状態で、他者のもとからある「刷り込み」を発見し、それが今までその人を支えてきたことを明らかにし、さらに優れた「刷り込み」があることを示し、あとは待つのです。
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あくまでも主体は聖霊であり、聖霊の働きによって人の魂にキリストの救いへの渇望が起こされることを覚えましょう。
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