今日のみ言葉【No.2520】(2021年 4月22日)「キリスト教イロハ(148)『放蕩息子(3)』」
さて、取税人や罪人たちが皆、イエスの話を聞こうとして近寄ってきた。するとパリサイ人や律法学者たちがつぶやいて、「この人は罪人たちを迎えて一緒に食事をしている」と言った。
(ルカ15:1-2)
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ある不動産屋さんとお会いした時、私が牧師であると知ると、
「教会さんにはお世話になっています」
と言われました。
何のことかと尋ねると、
「クリスチャンの方は事故物件を気になさらないので、ご契約をいただき、大変ありがたい」
とのこと。
いわゆる「事故物件」は通常より価格を安くしてもなかなか売れないのですが、クリスチャンは天地万物の造り主なる神を信じているので、祟りや霊現象なるものを全く気にしません。
むしろ好条件の物件なのでそこに住もうとし、不動産屋さん側でも在庫が処理されるだけでなく、いったん住んでもらえれば次回の人からは事故物件の説明をしなくて済むので双方に益があるというのです。
同じ物件でも一方では忌み嫌われ、一方では喜んで迎えられます。
家が問題なのではなく、その人がどんな考えを持ち、どんな人生観で生きているかで態度が決まるのです。
放蕩息子のたとえ話の兄息子はどんな考えで生きていたのでしょう。
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前回出した問題を覚えておられるでしょうか?
なぜ父と兄息子に見解の相違があるのか、そして、それを解くヒントとして「彼ら」とは誰かを考えることだと述べておりました。
最初に解答から言います。
「彼ら」とは今日の聖句にあるように2種類います。
まず、「取税人や罪人たち」です。
これは弟息子側になります。
罪人の自覚を持っている人なら、放蕩三昧の弟がゆるされて父に迎えられる話を「ありがたい」と感じ、神の愛に感動します。
しかし一方で、まじめで「人から後ろ指を指される生き方はしていない」と思っている人がいます。
これが兄息子側で、今日の聖句で言う「パリサイ人や律法学者たち」です。
イエス様はこの方々の救いを願って、後半で兄の話をされているのです。
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このたとえ話を読めば、兄はまじめで勤勉な人であったことがわかります。
しかし、そこに父との愛の交流はなかったことが伺えます。
彼が働いていたのは義務だったからです。
長男としての務めを果たすとか、食べるためには働かねばならないとか、そのような理由だったのかもしれません。
ここに、自己に頼って、神にゆだねることのできない人間の姿が表されているのではないでしょうか?
そのような兄ですから、義務を放棄して身勝手な生き方をしている弟を許すことなど到底できませんが、それを赦して歓迎する父親はもっとゆるせません。
「こんなにまじめに生きているのに、弟のために祝宴を開くなんて、オヤジもオヤジだ!これは弟を贔屓(ひいき)しているのだ!」
と私が兄息子の立場なら、そう感じるでしょう。
これが、取税人や罪人たちを歓迎して食を共にし、神の国の救いを説いているイエス様に対するパリサイ人や律法学者たちの感じ方だったのです。
彼らはモーセの律法を守るために自分たちが作った細かい口伝律法に縛られ、それだけではなく、周囲の人々にもそれを守るように言っていました。
自分で自分を厳しく制限し、自縄自縛に陥っていたのはパリサイ人や律法学者たちであり、彼らこそ兄息子だったのです。
イエス様が兄息子の話をなさったのは、彼らも神の救いの対象として愛されていたからです。
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さて、自分こそ正しいと思う人たちの考えを変えることは至難の業です。
たとえ議論で勝っても、相手は決して屈服しようとはしません。
イエス様の方法は、彼ら自身が考え、自分で自分の方向を変える自由を与えることでした。
以下、次回に続きます。
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誰もが神から愛されていることを覚え、愛されている者としての生き方を今日選択して参りましょう。
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