今日のみ言葉【No.2071】(2019年 8月 8日)「キリスト教イロハ(8)『荒野の誘惑』」
さて、イエスは聖霊に満ちてヨルダン川から帰り、荒野を四十日のあいだ御霊にひきまわされて、悪魔の試みにあわれた。
(ルカ4:1-2)
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荒野の誘惑とは、イエス様がユダの荒野で40日間断食をした後、サタンから受けた誘惑のことをいいます。
イエス様はヨルダン川で洗礼者ヨハネからバプテスマ(洗礼)を受け、公生涯に入られましたが、いよいよ公の宣教活動に移る前、サタンから試みを受けました。
これは私たちが普通一般に体験する食べたい、眠りたい等の誘惑とは違い、イエス様が救い主であるがゆえに感じる誘惑でした。
サタン(悪魔)は3つの面からイエス様を試しました。
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神の国だ、救いだ、福音だなどと言っても、結局のところ、
(1)「生活の問題が解決しなければ、何を言ってもダメなんじゃないの?」
→ 「この石に、パンになれと命じてごらんなさい」(3節)
(2)「アンタ一人が頑張ったってたかが知れてるよ。この世の権力と結びつかなければどうしようもないんじゃないの?」
→ 「これらの国々の権威と栄華とをみんな、あなたにあげましょう」(6節)
(3)「何か不思議なスーパーパワーを見せないと、人は寄ってこないよ」
→ 「もしあなたが神の子であるなら、ここから下へ飛びおりてごらんなさい」(9節)
サタンのこの巧みな申し出は、人間という限られた存在の中に生きる神の子イエスにとって、喉から手が出るほどの誘惑であったことは間違いありません。
「なるほど、これは効率的方法だ。よし、あんたの考えに乗った!これなら全人類を最短の日時、かつ、最小の労力で苦しみから解放してあげることができる」
などと考えだしたらサタンの思うつぼです。
その時点で人類の救いの計画は失敗になってしまい、人間が救われるチャンスは永遠に失われるところでした。
しかし、イエス様は神の国と神の義を求めていく時に、そのような問題は解決されることを示し、御言葉によってサタンを追い払いました。
誘惑に打ち勝たれたのです。
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ナザレ出身の大工の息子イエスこそ、神から遣わされた救い主キリストであると判断したサタンは、これ以降、イエス様の存在を無きものにしようと総力をあげて戦い出します。
サタンからすれば、自分がせっかく奪い取った「この世」にキリストが侵入し、次々と神の国へと変えられていくのが目に見えていたからです。
「このキリストさえ死んでしまえば、天の神との戦いも自分の勝利となる」
サタンはこのように考えたはずです。
そしてとうとう、イエス様を十字架につけることに成功しました。
サタンの大勝利…、のはずでした。
ところが、イエス様の十字架上の死は、全人類の罪のあがないのための犠牲であったことが明らかになりました。
つまり、キリストが死ぬことによって人間に救いの道が開かれたのです。
サタンはその片棒を担がされたことになります。
彼は全ての知恵と力を使って神をやっつけたはずでしたが、実は神の手のひらの上で踊らされていただけで、結果的に人類の救いのための協力者の役割も果たしてしまったのです。
ここに神の知恵と力の壮大さが表れています。
どんなに事態が最悪に進んでいるように見えても、神にあっては人の考えを遥かに越えた最善がなされているのです。
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悪魔の誘惑には乗らないことが勝利の秘訣なのですが、毎回の試験にいつも満点を取れるとは限りません。
サタンの誘いに負け、人間は儲けたつもりで損をしていたことに後で気づき、大いに後悔するものです。
しかし、イエス様を荒野で40日の間ひきまわしたのは聖霊であったことを心に留めましょう。
神はサタンよりさらに大きな立場で、私たちの信仰の成長のために、あえて誘惑の機会を許可し、負けの中から更に良きものを得させようとする御計画を持っておられるのです。
ですから、
「ああ、私はサタンに負けたー!」
と一声叫んだら、あとは
「神様、悔い改めようと思っても行動が変わらないこの私です。でも、この私のためにイエス様は十字架で死んでくださり、罪を赦してくださったのですね。このままの私でゆるされ、生きていて良いことに感謝します」
と、考えを変える、つまり、悔い改めるのです。
すると、過去のことばかり考えていた自分が、いつの間にか未来に向けて考えていることに気づきます。
そうやって私たちは神様の手のひらの上で正しく踊ることを学んでいくのです。
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今日出される神様からの試験には、精一杯取り組み、結果が出たら、また悔い改めて進めばよいのです。
神様からの追試はキツイことがありますが、私たちを確実に成長させるものであることを思い起こし、今日のチャレンジを続けて参りましょう。
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