今日のみ言葉【No.1046】(2015年 5月25日)

わが心はモアブのために叫び呼ばわる。
(イザヤ15:5)

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フリージャーナリストとして活躍する池上彰さんが、日本には「嫉妬社会」の側面がある、と述べています。

たとえば、アメリカでは

「むちゃくちゃ儲けました」

と言ったら、その人は拍手喝采を浴びます。

儲けた人が偉い、という社会だからです。

しかし日本で同じことを言ったら、

「うらやましい」

と思ってくれる人は健全ですが、

「ずるい」

という反応が出てくることが少なからずあります。

「なんだ、あいつばっかりいい思いをして、ずるいじゃないか」

すると、成功した人の足を引っ張りたくなるのです。

ですから日本では、うまく行っている人はそのことを口に出さず、慎んで生きるのが賢明な生き方となります。

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しかし、どんなに隠しても企業の業績は数字として公表されますし、ホームランを打ったり決勝ゴールを決めた選手は目立ちます。

ここが後で足を引っ張られるか、逆にみんなに持ち上げてもらえるかの分かれ目です。

たとえ血のにじむような努力の末にホームランを打ったとしても、

「皆さんのおかげで打たせてもらいました」

と謙虚な姿勢や雰囲気を醸しだす人は、決して疎(うと)まれません。

一方、

「オレの力で決めたゴールだ!」

と言う人は、日本では人の嫉妬を買いやすいので上に伸びるのが困難です。

しかしよく考えてみれば、人間は一人で生きているのではありませんから、必ず誰かの協力があっての成功です。

「謙虚さ」と堅苦しく考えなくとも、「おかげ様で」という精神をもって生きることは、どの国の人であっても必要です。

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イザヤ書第15章は、隣国モアブが高慢になったがゆえに滅亡した預言です。

モアブはイスラエルと敵対する時期もありましたが、古くは血縁関係があったことから完全な外敵とは言えません。

実際、ルツ記のルツはモアブ人でしたが、イスラエル人の夫と結婚し、後のダビデ王の曾祖母となっています。

このモアブが滅んだ原因は傲慢です。

「われわれはモアブの高ぶりのことを聞いた」
(イザヤ16:6)

そして神の徹底的な裁きが下されたのです。

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これに対して、イザヤは、

「当然の結果だ」

とも

「いい気味だ」

とも言っていません。

むしろ、

「わが心はモアブのために叫び呼ばわる」
(イザヤ15:5)

と、モアブの滅亡を悲しんでいます。

この心が大切なのです。

もしも人の失敗を密かに喜んでいると、

「自分が失敗した時、人は必ず自分を笑うだろう」

と私たちは無意識に思います。

すると、必要以上に失敗を恐れるようになります。

周りの人間が「助けてくれる仲間」でなく「あざ笑う敵」だと見えるからです。

しかし、人の成功を祝福してあげ、人の失敗を泣いてあげる人であれば、自分も同じようにうまく行った時には喜んでもらえ、しくじった時は慰めてもらえると思います。

もちろん現実は、周囲の人が全てそうではなく、中には足引っ張りの人もいるのです。

しかし、その人の存在よりも助けてくれる人々の存在の方がクローズアップされ、

「皆様のおかげでここまで伸びることができました」

と言うことができるようになるのです。

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「喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣きなさい」
(ローマ12:15)

今日ものこの心をもって一日を歩み、神の祝福が用意された一日を歩んで参りましょう。

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