今日のみ言葉【No.2880】(2022年 8月22日)「アブラハム契約の締結（9）」

その日、主はアブラムと契約を結んで言われた、「わたしはこの地をあなたの子孫に与える。エジプトの川から、かの大川ユフラテまで。
（創世記15:18）

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台湾で30年にわたる戒厳令が解除された1987年、私は臨床牧会研修のため台北のキリスト教系病院で1ヶ月過ごしました。

当時、65歳以上の高齢者は日本語が話せたので成り立った研修でした。

それは、日清戦争に勝利した日本が台湾を領有し、そこで日本語教育を強制したからです。

現地の人々の話を聞いて、蒋介石の中華民国と毛沢東の中華人民共和国という二つの中国問題や、そもそも大陸から漢民族が移民する以前に住んでいた原住民の問題等、「領土」とはこのように複雑で大きいものかと実感しました。

今日の聖句は、神がアブラムに「領土」を明確にして契約を結んだところです。

この聖書箇所は、私たちが今生きる現代の国際政治に重大な影響を与えています。

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「その日、主はアブラムと契約を結んで言われた」

とあります。

これはアブラムにではなく、彼の子孫に与えられる土地の約束です。

神は

「わたしはこの地をあなたの子孫に与える。エジプトの川から、かの大川ユフラテまで」
（創世記15:18）

と、その境界線を定められました。

エジプトの川とはナイル川のことではなく、その支流でエジプトの東端にある川です。

大川ユフラテとは、現在のトルコ、シリア、イラクを流れるユーフラテス川のことです。

この間の広大な土地がアブラムの子孫の所有になるというのです。

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さて、約束された土地の範囲をさらに明確にするために、以下の人々が住む地域だと説明されています。

「すなわちケニびと、ケニジびと、カドモニびと、ヘテびと、ペリジびと、レパイムびと、アモリびと、カナンびと、ギルガシびと、エブスびとの地を与える」
（創世記15:19-21）

ところが、彼らの立場からすれば、イスラエルは

「自分たちの勝手な理由で我々の土地を奪う侵略者だ」

となります。

イスラエルが、

「ここは神が我々の先祖アブラハムに約束された土地だ」

と主張すればするほど戦いは起こり、断絶の溝は深くなります。

「領土」の問題は非常に複雑で重大であり、私のような者が正確な説明をすることは不可能です。

しかし、現実にアブラハムの子孫としてユダヤ人は1948年にイスラエル建国を果たし、元いたパレスチナの地に1900年ぶりに戻ってきました。

それによって、そこに住んでいた人たちがパレスチナ難民となり、周辺のアラブ諸国に流れ込み、PLOを作り、20世紀はハイジャックやビル爆破事件、そして21世紀のアメリカ同時多発テロへとつながっています。

今の私たちの生活がどうなるのかと、今日の創世記15章18節は深くつながっているのです。

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神の存在を認める認めないにかかわらず、聖書は現代の全人類に影響を及ぼしています。

どのような流れになっても、神の約束は変わらずに果たされることを信じ、動じることなく今日の一歩を進めて参りましょう。

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