今日のみ言葉【No.2859】(2022年 7月21日)「アブラムとロト(5)」
目をあげてあなたのいる所から北、南、東、西を見わたしなさい。すべてあなたが見わたす地は、永久にあなたとあなたの子孫に与えます。
(創世記13:14-15)
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古本業界の雄、ブックオフにはある転換点がありました。
それは、「高価買取」から「お売り下さい」へとキャッチコピーを変えた時です。
中古業だから仕入れが全て。
「買い取ってやる」
という態度ではなく、
「ぜひお売り下さい」
という立場の転換が、国内ナンバーワンの古本チェーン店になった秘密だといいます。
アブラムの場合、一方向だけからではなく、あらゆる方向に目を向けることが祝福を受ける鍵となりました。
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ロトがアブラムに別れた後に、主はアブラムにこう言われました。
「目をあげてあなたのいる所から北、南、東、西を見わたしなさい。すべてあなたが見わたす地は、永久にあなたとあなたの子孫に与えます」
(創世記13:14-15)
ロトの「肉の目」はヨルダンの低地という限られた地域しか見ませんでした。
しかし、アブラムに「霊の目」を使わせようとした神は
「目をあげてあなたのいる所から北、南、東、西を見わたしなさい」
(創世記13:14)
と命じられました。
四方八方、360度の視点からものを見るようにとされたのです。
自分の利を求めるという動機が主では、人は一方向からしか見えなくなる危険性に陥ります。
しかし、神はアブラムに、あちらも、こちらも、そちらも、あらゆる方向を見させました。
そして、
「すべてあなたが見わたす地は、永久にあなたとあなたの子孫に与えます」
(創世記13:15)
と言われ、アブラムと結んだ契約を再確認されたのです。
それは、すみずみまでよく潤っていたヨルダンの低地だけが祝福の地なのではなく、すべてに渡って神の祝福が及んで行くのだということを表しています。
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ここで気をつけなければならないのは、あくまでも神主導でアブラムに祝福が運ばれているだけであって、彼の実力で得たのではないということです。
以前のメールでも述べたように、アブラムがロトに選択させたことは100点満点の完璧な答えではありません。
非常に危うい一面もあったのです。
ですから、
「人がその思いを霊的方向に向け、神に祈りながら答えを出すと、それは必ず正解だ」
というのは誤りです。
「神に祈って出した答えならそれはすべて正解で、災はあなたから避けられ、あなたにはどんどん祝福が授けられ、あらゆる面で繁栄の道を歩みます」
という文言は、カルト宗教が信徒獲得のために使うセールストークであって、聖書の中でも、また、私たちが今生きている現実でもそうではありません
実際、創世記を見ると、アブラムは神に導かれながら、実によく間違っています。
正しい選択をし、右肩上がりで一直線に霊的成長を続けるのかと思いきや、あっけなく自分の思いにとらわれ、一般的人以下のレベルにまで落ちることもあります。
彼が100点満点の答えを出したのは、イサクを捧げる時だけであり、人生で1回きりです。
神はアブラムに自分の答案を書かせ、彼の不完全な解答から徐々に純粋な信仰の答えを出す人物となるように成長させておられるのです。
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これは私たちに対しても同じです。
祈って答えを出したら全てうまく行くのではなく、満足できる時もあり、うまく行っていないように見えてがっかりする時もあるのです。
その時に、
「神様、どうして導いてくださらなかったのですか」
と泣き言を言ってはいけません。
神はあなたの成長を願っているからこそ、あえて今の実力を見させ、そこから本当の意味での実力をつけさせようとされているのです。
祈っては間違い、祈っては間違う…。
これがアブラムの実際の生涯であり、私たちの信仰生活のありのままの姿でもあります。
この先にある未来は、絶望ではなく、絶えず神により頼む生活となっていきます。
詩篇の記者はそれを次のような言葉で表しました。
「あなたのみ言葉はわが足のともしび、わが道の光です」
(詩篇119:105)
ランプは一歩先のみを照らし出すもので、その先は見えません。
しかし、み言葉は真実であると信じて、一歩踏み出し、そしてみ言葉に照らし出され、導かれた次の一歩を踏み出す選択をすること。
これが「神により頼む」ということなのです。
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霊的判断を下したようで、そうでないのが私たちです。
しかし、そこに神の導きが確かにあったと信じ、次の一歩を神に尋ね求めるのです。
今日もあなたの答案を書き、神により頼む生活を続けて参りましょう。
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