今日のみ言葉【No.2751】(2022年 2月21日)「キリスト教イロハ(220)『ピレモンヘの手紙』」

福寿草

しかも、もはや奴隷としてではなく、奴隷以上のもの、愛する兄弟としてである。
(ピレモン1:16)

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最近の若い人が就職活動をする際、

「この会社はブラック企業ではないか?」

ということをとても気にします。

「家畜」ならぬ「社畜」として奴隷のような働き方をさせられるのではないかと恐れるのです。

今から2000年前の新約聖書の時代は、大量の奴隷がいて、現代流に言うブラックな働き方が当たり前でした。

そこにキリスト教は全く新しい光をもたらします。

それがピレモンへの手紙で明らかにされています。

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ピレモンへの手紙は新約聖書の中で最も短い文書のひとつです。

パウロはこの手紙は、紀元60年頃、ローマの獄中で書きました。

ピレモンは奴隷を所有するクリスチャンです。

現代的な感覚からするすると、

「クリスチャンが奴隷制度を認めるのか?」

と疑問が湧きますが、古代世界では奴隷がいるのは当たり前であり、社会を支えていたのは奴隷の労働力です。

ただ、当時の奴隷は「人格を持った人間」としては取り扱われず、生きている「道具」に過ぎませんでした。

主人は奴隷に対する生殺与奪の権を持っており、自分の奴隷に対して絶対的な権力を振るっていたのです。

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さて、パウロのもとに、そのピレモンの家にいたオネシモという奴隷が逃亡してきました。

パウロは、

「もし、彼があなたに何か不都合なことをしたか、あるいは、何か負債があれば、それをわたしの借りにしておいてほしい」
(ピレモン1:18)

と主人のピレモン宛に書き送っていますから、オネシモは彼の家から何か物を盗んできたのかもしれません。

しかし、パウロのもとにいる間に、オネシモ(この名前の意味は「有益」)はパウロにとって文字通り有益な者として頭角を現しました。

そこでパウロは彼をピレモンのもとに送り返すことにしたのです。

しかし、先に述べた通り、奴隷は物扱いですから、もしかしたら彼は悲惨な扱いを受けるかもしれません。

パウロはピレモンに対し、主人と奴隷という関係ではなく、クリスチャンの兄弟としてオネシモとの新しい関係を作って欲しいと願い、この手紙をオネシモに託しました。

パウロの考えはこうです。

「なぜなら、わたしたちは皆、ユダヤ人もギリシヤ人も、奴隷も自由人も、一つの御霊によって、一つのからだとなるようにバプテスマを受け、そして皆一つの御霊を飲んだからである」
(第1コリント12:13)

「もはや、ユダヤ人もギリシヤ人もなく、奴隷も自由人もなく、男も女もない。あなたがたは皆、キリスト・イエスにあって一つだからである」
(ガラテヤ3:28)

「そこには、もはやギリシヤ人とユダヤ人、割礼と無割礼、未開の人、スクテヤ人、奴隷、自由人の差別はない。キリストがすべてであり、すべてのもののうちにいますのである」
(コロサイ3:11)

キリストにあって、新しい人間関係に生きるのがクリスチャンの生き方であることをこの手紙は語っています。

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本書の内容は以下の通りです。

(1)挨拶(1節〜3節)

(2)ピレモンのための感謝の祈り(4節〜7節)

(3)オネシモのためのとりなし(8節〜21節)

(4)終わりの挨拶と祝祷(22節〜25節)

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愛する兄弟姉妹としてお互いを見る、新しい人間関係を構築して参りましょう。

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