今日のみ言葉【No.2735】(2022年 2月 1日)「イエスは約束のメシアか(2)」

「『きたるべきかた』はあなたなのですか。それとも、ほかにだれかを待つべきでしょうか」
(ルカ7:19)

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「私の最大の光栄は、一度も失敗しないことではなく、倒れるごとに起きるところにある」

とは、本田技研工業の創業者、本田宗一郎氏の言葉です。

これを聞いて心にエネルギーを得、「よし、やろう!」と励まされる人もいますが、「あら、そう」とスルーする人もいらっしゃいます。

多くはプライドの高さを隠しながら生きている人たちです。

失敗したら自分のプライドを維持できなくなるので、

「失敗覚悟で何かやってみたらどうだ?」

とアドバイスされても、言われた通りチャレンジして動こうとはしません。

こういう方とカウンセリングをする時に、私はあえて負けるようにしています。

お話を聞き、あれこれと提案すると、案の定、

「それはやりましたがダメでした。あれもやってみましたが続きませんでした」

という答えが返ってきて、音声としては出てきませんが、

「お前の言うことは全部やったのだよ。私は努力しているんだよ。そんなことしか言えないカウンセラーなのか?」

という言外のメッセージをぶつけられます。

それに対して、

「もう少し続けてやってみたらどうでしょうか?」

などと、こちら側の主張を繰り返したらダメです。

ここは負けるのです。

「そうですか、そこまでおやりになっていらっしゃったのですね。いやあ、凄い。それでもダメならしょうがありませんね」

というやり取りを数回繰り返した後、

「お役に立てなくて申し訳ありません」

と謝ります。

つまり、今回のカウンセリングは無駄だったと降参するわけです。

ところが、その人はカウンセラーをやっつけた勝利感を得て、心にエネルギーを得、今まで取り組めなかった問題に手を付けることができるようになるのです。

人には人それぞれの見方、考え方、論理回路があり、それにピタッと合った時、先が見えてきますが、合わない時は迷路に入り込んだように、見えるものも見えなくなってしまいます。

バプテスマのヨハネは自分のものの見方に固執していたので、イエス様の姿を正しく見ることができない状態になっていました。

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人間はどうしても自分を中心にして物を見ます。

ヨハネにとってイエス様はユダヤの王となるべき御方です。

そこまでは合っています。

ですから、ヨハネは獄に入れられていても、

「イエス様が王となったら、私は獄から解放される」

と信じて疑ってはいませんでした。

ヨハネにとって、イエス様こそ王となるべき御方なのだから、イエス様が獄から自分を解放することが、

「ナザレのイエスこそ約束のメシアなり」

という証明だったのです。

しかし、神の深い御旨により、初臨の今回は、イエス様は最下層のしもべの姿となり、次の再臨の時にすべてを従える王として来られます。

新約聖書が与えられている現代の私たちにはそれが見えますが、バプテスマのヨハネのこの時にはまだそれは明かされていません。

いつまでたっても自分は解放されず、弟子たちから聞く報告によれば、王となるべき御方は奇跡を行ってはいても、政治活動らしきものをしている気配はありません。

自分が信じていることと現実との食い違いに、ヨハネの心の中で

「これはおかしい」

という疑問が芽生え始めたのです。

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ここまで読んで、

「人間はどうしても自分を中心にして物を見る」

ということがおわかりになるでしょう。

イエス様はユダヤ人の王として社会的・道徳的改革をすべきであり、その最も中心的なことは何かと言うと、

「この自分を獄から解放すること」

だとヨハネはいつの間にか思うようになっていたのです。

確かに、病の人を癒やし、目の見えない人の目を見えるようにしたり、死人を生き返らせてはいる。

しかし、自分を救出するために何もしてくれない…。

獄中という苛酷な状況に長期に渡って入れられていると、バプテスマのヨハネでさえ自己中心なものの見方に傾くのは、罪を持つ人間として当然なのかもしれません。

イエス様はこのヨハネの見当違いの問いに、どう答えられたのでしょう?

以下、次回に続きます。

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自己中心な私たちを愛する神に望みを置く今日として参りましょう。

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