今日のみ言葉【No.2731】(2022年 1月27日)「キリスト教イロハ(213)『ピリピ人への手紙』」

あなたがたは、主にあっていつも喜びなさい。繰り返して言うが、喜びなさい。
(ピリピ4:4)

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2月は年間で最も寒い月ですが、雪に閉ざされた山形の冬、この2月に鳥が鳴く声を聞く時があります。

彼らは春をキャッチしていて、その前触れとして声を上げてくれているのです。

木の芽も、ふきのとうも見えない冬の真っ最中、確実に来る春の訪れを知った人は、まだ春を体験していないのに喜びにあふれます。

ピリピ人への手紙は、そのような喜びがあることを教えています。

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ピリピ人への手紙は、紀元61年頃、パウロがローマで書いた手紙です。

内容は、

(1)挨拶とパウロの現状(1章)

(2)信仰のすすめ(2章〜4章9節)

(3)感謝の言葉と挨拶(4章10節〜23節)

となっています。

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ピリピ人への手紙は、別名「喜びの手紙」とも言われています。

「喜び」、「喜ぶ」という言葉が16回も使われているからです。

そうであるなら、御心と信じて始めたことは全てその通りの真実だったと明らかになり、最善となると信じたとおりの最善が実現し、神がいるならこうなるだろうと考えた通りが実現したのがパウロの人生だったと思ってしまいます。

ところが、この時のパウロの現状は、喜ぶことができるような状態ではありませんでした。

彼は獄中にいて、そこからこの手紙を書いていたのです。

「すなわち、わたしが獄に捕われているのはキリストのためであることが、兵営全体にもそのほかのすべての人々にも明らかになり」
(ピリピ1:13)

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では、彼の喜びの源泉は何だったのでしょうか?

それは一つに、パウロは自分の全生活を通して、「神は愛である」ことを知っていたからです。

私たちが地上の生涯を生き抜く間、神の愛が見えない時もあります。

しかし、それは、ちょうど太陽が黒雲に覆われて見えなくなったのと同じで、見えないからといって太陽が無くなったわけではありません。

日が沈み、真っ暗な夜が来ても、私たちは

「また明日の朝、太陽が昇る」

と当たり前に思い、何のパニックにも陥らないように、パウロは獄の中でも平然としていられたのです。

パウロは神が愛であることを骨の髄まで知らされていたので、獄中から獄の外にいる人たちを

「あなたがたは、主にあっていつも喜びなさい。繰り返して言うが、喜びなさい」
(ピリピ4:4)

と励ますことができました。

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もう一つは、「主は近い」ということを知っていたからです。

先の「喜びなさい」の次の節にこうあります。

「あなたがたの寛容を、みんなの人に示しなさい。主は近い」
(ピリピ4:5)

私たちがこの地上で生きている間、

「ああ、あれはそういうことだったのか」

と神の采配に納得できる場合もありますが、問題は未解決のまま、神の御心が知らされずに世を去るということもあるのです。

しかし、信仰の世界は、私たちの人生が終わった後も続きます。

パウロはやがて確実に起こる主イエスの再臨と、その時に神の正義が隈なく行き渡り、どんな罪人も言い逃れができない正しい裁きが下される時があることを知っていました。

地上ではどんなに矛盾に見えても、あるいは、神の約束は果たされなかったと思われることがあっても、全ては神のご計画通りであったと知る未来の時があるのです。

この信仰が、現実の今に喜びをもたらすものとなるのです。

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私はユーチューブで公開しているメッセージ動画でそのことを思います。

20年ほど前から、インターネット上で動画メッセージを一般公開できたら伝道の輪が広がるのではないかと考えていましたが、その道はずっと閉ざされていました。

しかし、コロナ禍になり、ステイホームで教会にも外にも行けない方々の励ましのためということで、動画公開の道が一気に開かれました。

神様は道を閉ざし、そして最も良い時に道を開かれたのです。

これは神の愛のわざです。

そして、2020年以前は

「なぜ御心の道なのにそうならないのか」

と思い、私は神様の処置に疑問を持ち続けていましたが、コロナ以降は

「ああ、あれはそういうことだったのか」

と少しずつ納得できています。

その体験から、今でも抱いているその他多くの未解決の課題も、

「それは神の御心で隠されているということ。私が理解できようができまいが、神のさばきは正しい」

と神を信頼して、徐々に、ひとつずつ、神の御手にお渡ししています。

これは信仰による決断です。

ここを神の導きによって越えさせていただいた先に、パウロが明らかにした喜びの世界があるのです。

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信仰による喜びを味わう今日として参りましょう。

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