今日のみ言葉【No.350】(2012年 7月12日)

この弱い兄弟のためにも、キリストは死なれたのである。
(第1コリント8:11)

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飽食の時代と言われて久しい日本です。

食べ過ぎたせいでメタボになり、食べることで病気を招くのでは本末転倒でしょう。

それで最近は「一日一食」を勧めるお医者さんの本がベストセラーになっています。

その本によると、腹八分目どころか、腹六分目ぐらいがちょうど良いと書いてあります。

お腹が空いて「グーッ」と鳴ると、若返り遺伝子が働き出し、体の老化を防いでくれるからだそうです。

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パウロが生きていた当時は、飽食など夢の夢の時代です。

偶像に捧げられた肉を食べても良いのか、食べてはいけないかの論争が生じてもおかしくはありません。

知識のある人は、

「偶像なるものは実際は世に存在しないこと、また、唯一の神のほかには神がないこと」
(4節)

を知っていましたから、堂々と食べていました。

しかしパウロは、

「知識は人を誇らせ、愛は人の徳を高める。」
(1節)

と語っています。

知識を持っていることが、いつの間にかその人を高ぶらせてしまうというのです。

そこで、当時最高の知識人であったパウロが、知識に乏しい人々の更にその下となり、肉を食べない、という決心をしました。

厳しい伝道の働きの支えとなる肉を食べない、とまでパウロに言わしめたのは、迫り来るキリストの愛です。

「この弱い兄弟のためにも、キリストは死なれた」

という思いが彼を動かしたのです。

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英国のエドワード8世(後のウィンザー公)が王太子時代、こんなエピソードが残されています。

アラブ首長の要人たちを招いた晩餐会の席のことです。

英国式のマナーをよく分からなかった一人が、手の指を洗うフィンガーボウルの水を飲んでしまったのです。

一瞬、場の雰囲気は凍りつきそうになり、マナーを知る人々の視線はその人へ、そしてホスト役のエドワード8世へと移りました。

王太子はマナー違反をおとがめになるに違いない。しかしそうすればお客様に恥をかかせることになる…。

すると彼は、フィンガーボウルの水を同じように飲んだのです。

それを見た一同皆、それに倣ってボウルの水に口をつけ、晩餐会は何事もなかったように進んでいったとのことです。

愛とはこのようなものなのでしょう。

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弱い私たちのためにキリストは死なれたことを思い起こし、私たちも愛の業に参加させていただきましょう。

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