今日のみ言葉【No.2619】(2021年 9月 2日)「キリスト教イロハ(177)『歴代志下』」

ダビデの子ソロモンはその国に自分の地位を確立した。その神、主が共にいまして彼を非常に大いなる者にされた。
(歴代志下1:1)

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旧約聖書を読む利点は、先人の失敗に出会えることです。

自分も何も知らなければ同じ失敗をするはずが、そうせずに済み、落とし穴を避けて安全に、しかも最短距離で進むことができます。

歴代志下に描かれているソロモンの成功と失敗、それ以降の王たちの選択を知ることは、私たちの人生の勉強となります。

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歴代志下は南ユダ王国の滅亡について記した書です。

父ダビデの王位を継承したソロモン王のことと、それ以後の王たちのこと、そしてバビロンによって国が滅ぼされるまでのことが書かれています。

内容は、

(1)ソロモン王の治世(1〜9章)

(2)ユダの王たち(10〜36章)

となっています。

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ソロモン王の使命は、父ダビデが着手した神殿建設を完成させ、神の戒めに従って生きることでした。

歴代志上のダビデの祈りの中にそれが表されています。

「またわが子ソロモンに心をつくしてあなたの命令と、あなたのあかしと、あなたのさだめとを守らせて、これをことごとく行わせ、わたしが備えをした宮を建てさせてください」
(歴代志上29:19)

この使命を果たすために、神はソロモンを栄えさせ、彼に、知恵、知識、富、宝と誉とを与えました。

「ダビデの子ソロモンはその国に自分の地位を確立した。その神、主が共にいまして彼を非常に大いなる者にされた」
(歴代志下1:1)

「知恵と知識とはあなたに与えられている。わたしはまたあなたの前の王たちの、まだ得たことのないほどの富と宝と誉とをあなたに与えよう」
(歴代志下1:12)

ところが、彼はこれらの神から与えられた祝福を自分の野望の実現のために用いるようになりました。

このようにしてイスラエルの民は破滅へと向かい始めたのです。

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神が与える祝福には目的と意図があります。

それは創世記第12章2節〜3節にあるアブラハム契約に表されており、これが旧新約聖書全体に流れる神の基本的契約です。

(約束)「わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう」

(責務)「あなたは祝福の基となるであろう」

(預言)「地のすべてのやからは、あなたによって祝福される」

ソロモンをはじめ、聖書の神を信じる者は神から一方的に祝福されるという約束を得ています。

しかし、それは次の「祝福の基となる」という責務を果たすために与えられている祝福なのです。

ですから、神の御手から受け取ったすべての良きものは、隣人の祝福となるように用いられなければなりません。

どんな宝物も死蔵されたままでいてはいけません。

まして、独り占めにしてはいけないのです。

ソロモンはこの点において途中から方向が逸れてしまいました。

神からの祝福を自分の栄光のために使うと、その祝福は取り上げられます。

それは、その人が悔い改めて御心の方向に向きを変えるまで続きます。

愛の神に出会うか、裁きの神に出会うか、それは人間の自由意志による選択に任されているのです。

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与えられた祝福を他者と分かち合い、共に神の栄光を讃える者として生きて参りましょう。

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