今日のみ言葉【No.2360】(2020年 9月17日)「キリスト教イロハ(97)『主の祈り(13)』」
愛する者たちよ。自分で復讐をしないで、むしろ、神の怒りに任せなさい。なぜなら、「主が言われる。復讐はわたしのすることである。わたし自身が報復する」と書いてあるからである。
(ローマ12:19)
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ボートの話をします。
あなたが公園の池で貸しボートに乗ったとします。
係員から
「他のお客さんと衝突しないように、こちらの方向に進んでください」
と言われ、あなたはその方向にボートを漕ぎ出しました。
ところが、逆方向からこちらに向かってくるボートがあるではありませんか!
「こっちが正しい方向に進んでいるのだから、あっちがよけるべきだ」
と思って、あなたは避けようとしません。
ところが向こうも避けようとしません。
とうとうあなたがよけてあげて、すれすれで回避しました。
でも、損した感じがして納得がいきません。
楽しいはずのボート乗りが不愉快な時間となりました。
「あいつのせいだ!」
あなたはずっとその感じを引きずっています。
これが人を赦さないでいる生き方の有様です。
ところが、別のケースではあなたは何の苦もなく自分から譲ってあげられます。
それは後半お話します。
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自分が人から理不尽なことをされたと感じると、とてもその人をゆるせるものではありません。
しかし、主の祈りでは
「我らに罪を犯すものを我らが赦すごとく、我らの罪をも赦したまえ」
と教えられ、他人の罪を赦せと言われています。
ここで「う〜ん」と立ち止まり、葛藤するクリスチャンがいてもおかしくありません。
それくらい、人をゆるということには難しさがあるのです。
ところで、この一文をよく読むと、他人をゆるす物差しが、そのまま神様が自分をゆるす物差しになっていることがわかります。
つまり、他者をスパッと許す人は、自分もスパッと許すことができ、相手のことを赦せずにグズグズしている人は、自分の罪や至らなさに対しても同じようにグダグダとしているということです。
「そうか、人を許すと、そのように自分を許せるのか。だったら、自分はスッキリしたいからあの人のことを許そう」
と納得できる人もいます。
そのような工夫で主の祈りを祈れる場合もあります。
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しかし、どうしても人をゆるせない心の状態にある時はどうしたらいいのでしょう?
御言葉はこう言っています。
「愛する者たちよ。自分で復讐をしないで、むしろ、神の怒りに任せなさい。なぜなら、『主が言われる。復讐はわたしのすることである。わたし自身が報復する』と書いてあるからである」
(ローマ12:19)
つまり、「あの人に天罰を!」とか「神の正しい裁きが下るように」とか、暗に復讐の意を込めた祈りはしないで、その復讐の心を神様にゆだねなさいということです。
ゆだねるとは、自分の考えを捨てたり、あきらめることではありません。
人の復讐心は容易に消えるものではありません。
むしろ、自分で復讐しようとしないで、相手を神の怒りにお任せし、「復讐はわたしのすることである」とおっしゃる神様に代行していただくのです。
この言葉に信頼を置いて、そのように行動することを信仰と言います。
信仰によって相手を神の怒りに任せる選択をすると、自分なりに
「ああ、神様はやっていてくださるんだなあ」
という手応えが感じられてきます。
まず、最初はゆるせなかったことでも、神の怒りに任せているうちに、許す方向に自分の心が傾き出してくるのを感じます。
また、相手側の状況も、その人が間違ったことをしているなら、やはりその結果は正直に現れるものだと見えてくるのです。
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さて、ボートの話に戻ります。
別の機会に、あなたは同じ所でボートに乗りました。
すると前回と同じく、逆方向に向かってくるボートが来ます。
ところが今回は誰も乗っていません。
無人のボートが流れてきたのです。
それがわかると、あなたは
「危ないなあ」
とひとこと言ったきり、衝突する遙か以前に、こちらから避けて無人ボートをやり過ごします。
そして、
「ああ、早く気づいて良かった」
と、すがすがしい思いでボート乗りを楽しみます。
1回目とは反対に、2回目のボートで進んで譲ってあげられたのはなぜでしょう?
人が見えないからです。
相手を神の怒りに任せ、物事を神にゆだねるとはこういうことです。
復讐を自分で果たそうとしないで、
「神様におまかせしたのだから、私がやる以上に完璧な報復をして下さる」
と信じ、神にゆだねると、徐々に相手があなたの視界から消えていきます。
まったく無人のボートに見えるまでには時間がかかるでしょうが、あなたの人生には喜びが回復します。
そして、
「あの人に振り回されないでいて良かった」
と感謝する日々を送るようになるのです。
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ゆるす。ゆだねる。
神のチャレンジに、たとえ小さくても、あなたの応答の一歩を進めて参りましょう。
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