今日のみ言葉【No.2257】(2020年 4月27日)「キリスト教イロハ(66)『地獄(1)』」

『蜘蛛の糸・地獄変』 (角川文庫)

恐るべき者がだれであるか、教えてあげよう。殺したあとで、更に地獄に投げ込む権威のあるかたを恐れなさい。そうだ、あなたがたに言っておくが、そのかたを恐れなさい。
(ルカ12:5)

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芥川龍之介の『蜘蛛の糸』は児童文学として書かれ、日本人なら誰でも小学生の頃に触れた作品です。

主人公のカンダタは、生前、殺人や放火など、多くの凶悪な罪を犯した大泥棒でした。

悪いことをした当然の報いとして血の池地獄に苦しむ彼の前に、お釈迦様はスルスルと銀色の蜘蛛の糸を垂らす…、という序盤から次々とストーリーが展開し、名作の誉れ高い短編小説です。

日本人が「地獄」と言われてイメージするのは、ここに描かれた情景ではないでしょうか。

さて、聖書で言う地獄と日本人が考える地獄では、共通点もあれば違いもあります。

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口語訳聖書と新共同訳聖書では、「ゲヘナ」という言葉が「地獄」と訳されています(新改訳聖書ではゲヘナとそのまま記されています)。

ゲヘナとはエルサレム南の場所で、地名です。

旧約聖書のヘブル語で「ゲー・ヒンノム」(ヒンノムの谷)と言い、新約聖書のギリシャ語ではこれが短縮されて「ゲヘナ」となりました。

エルサレムの住民にとって、ここは町の外れにあるゴミ捨て場、青空ゴミ焼却場で、神の裁きの場を連想させるのにふさわしい場所でした。

「地獄では、うじがつきず、火も消えることがない」
(マルコ9:48)

と書かれてあるとおりのイメージです。

歴史的にはモレクの神という偶像神への幼児犠牲が行われていた場所で、善王のヨシヤ王がそれをやめさせ、破壊した場所です。

「王はまた、だれもそのむすこ娘を火に焼いて、モレクにささげ物とすることのないように、ベンヒンノムの谷にあるトペテを汚した」
(列王紀下23:10)

そのような場所だったので誰も使う者はなく、いつしかそこはゴミ捨て場となり、生ゴミからはウジが湧き、ゴミを燃やす煙が絶えず上がっていたのです。

罪人が行く場所として、聖書はこのようなイメージを提供しています。

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私たちはこんな場所には行きたくありません。

そこでイエス様は、

「殺したあとで、更に地獄に投げ込む権威のあるかたを恐れなさい」
(ルカ12:5)

と、神を恐れることを教えておられます。

天地万物の造り主であり、私たちの命を取ることも与えることもできる権威を持った御方を恐れ、この方から切り離されることのない道を選びなさいということです。

神から分離されることを霊的死と言います。

人間はこのことを本能的に恐れ、死に対する漠然とした不安を持っています。

次回、この霊的死と地獄に関して話を進めていきます。

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神を恐れて生きる今日として参りましょう。

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