今日のみ言葉【No.2164】(2019年12月 9日)「キリスト教イロハ(36)『神の小羊』」
見よ、世の罪を取り除く神の小羊。
(ヨハネ1:29)
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ヨハネの黙示録は難解な書として有名ですが、いくつかの合鍵さえ持っていればかなりの部分読み解くことができます。
その合鍵とは、この書で使われている隠喩と象徴という技法で表されているものが何であるかを知ることです。
たとえば、「地」はイスラエルで、「海」は異邦人世界です。
海のように揺れ動き、絶えず変化する異邦人世界と、地のように動かないイスラエルという意味です。
また、「龍」はサタンであり、「小羊」はキリストを表します。
今日は少し難解ですが、「神の小羊」とは何を表すのかを学んでいきます。
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神の小羊とは、救い主イエス・キリストを指している言葉です。
小羊はすでにアブラハムの時代から犠牲の動物として用いられていました。
「やがてイサクは父アブラハムに言った、『父よ』。彼は答えた、『子よ、わたしはここにいます』。イサクは言った、『火とたきぎとはありますが、燔祭の小羊はどこにありますか』」
(創世記22:7 )
特に出エジプトの際に、死の使いを過ぎ越すために小羊が犠牲としてほふられ、その血を入り口の2本の柱と、かもいに塗った家の長子は命を奪われることなく救われました。
「そこでモーセはイスラエルの長老をみな呼び寄せて言った、「あなたがたは急いで家族ごとに一つの小羊を取り、その過越の獣をほふらなければならない」
(出エジプト12:21)
「その血はあなたがたのおる家々で、あなたがたのために、しるしとなり、わたしはその血を見て、あなたがたの所を過ぎ越すであろう。わたしがエジプトの国を撃つ時、災が臨んで、あなたがたを滅ぼすことはないであろう」
(出エジプト12:13)
また古代イスラエルでは、一般の民の罪は雌やぎの全きものか小羊をほふることによって贖われるとしていました。
「もし小羊を罪祭のために供え物として連れてくるならば、雌の全きものを連れてこなければならない、…、祭司はこれを主にささげる火祭のように祭壇の上で焼かなければならない。こうして祭司が彼の犯した罪のためにあがないをするならば、彼はゆるされるであろう」
(レビ記4:32、35)
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さて、これらの旧約の規定は新約でイエス・キリストが現れて以降、どういう意味を持つようになったのでしょうか。
イエス・キリストは自分では罪がないのにもかかわらず、十字架に死に、人類の罪のあがないを成し遂げました。
「神は、わたしたちを責めて不利におとしいれる証書を、その規定もろともぬり消し、これを取り除いて、十字架につけてしまわれた」
(コロサイ2:14)
これはイザヤ書53章のキリスト預言の成就でもありました。
「彼はしえたげられ、苦しめられたけれども、口を開かなかった。ほふり場にひかれて行く小羊のように、また毛を切る者の前に黙っている羊のように、口を開かなかった」
(イザヤ53:7)
したがってイエス・キリストは
「見よ、世の罪を取り除く神の小羊」
(ヨハネ1:29)
と呼ばれるのです。
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キリストが神の小羊としての役目を果たしたということは、旧約時代の不完全な罪のあがないの方法は終了したということです。
キリスト以前は人間の罪のために繰り返しいけにえを捧げなければなりませんでした。
それは罪を一時的に覆うようなものであって、神と人間との関係を妨げる罪を完全に取り除くものではなかったからです。
しかし、イエス・キリストは、罪のための永遠のいけにえ、すなわち神の子である御自分の命という完全ないけにえを、たった一度だけ捧げて下さいました。
このことはヘブル人への手紙の中にまとめて書かれてあります。
「こうして、すべての祭司は立って日ごとに儀式を行い、たびたび同じようないけにえをささげるが、それらは決して罪を除き去ることはできない。しかるに、キリストは多くの罪のために一つの永遠のいけにえをささげた後、神の右に座し、それから、敵をその足台とするときまで、待っておられる。彼は一つのささげ物によって、きよめられた者たちを永遠に全うされたのである」
(ヘブル10:11-15)
「永遠に全うされた」とは、罪を思い出すことはしないということです。
つまり、キリストの罪のゆるしを信じる者は、完全に赦されており、そのため、かつて必要としていた罪のための捧げものは完全に無用となったということです。
ですから私たちはもう自分を責める必要がなくなりましたし、責めてはいけないのです。
するべきことは、罪から解放された感謝と、神の恵みへの讃美です。
「神様、ありがとう!イエス様、あなたは素晴らしい!」
と口ずさんで生きるのが、キリストを神の小羊として信じるクリスチャンの生き方なのです。
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罪赦され、贖われた恵みを感謝しつつ、今日を精一杯生きて参りましょう。
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