今日のみ言葉【No.2153】(2019年11月26日)「盲人バルテマイ(2)」
2019年11月26日
ところが、ナザレのイエスだと聞いて、彼は「ダビデの子イエスよ、わたしをあわれんでください」と叫び出した。
(マルコ10:47)
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日本が空前のバブル景気に沸いた1980年代後半から90年代初めにかけて、私は献身者として教会の寮生活をしていました。
その時代、教会の寮にはテレビも新聞もラジオもネットもありません。
昭和30年代のような生活では娯楽は主に2つです。
一つは「今日何を食べられるか」という食べ物の興味。
もう一つは、皆で誰かの話を面白おかしく聞くということです。
制限された生活の中では、話を聞くということが今の時代では考えられないくらいに比重が高かったのです。
バルテマイは盲人でしたので、様々な情報は耳から入るのみです。
彼はどこかでイエス・キリストの話を聞き、それを心にしっかり蓄えていたのです。
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バルテマイの信仰的態度、その第1ポイントは、彼が機会を逃さなかったことです。
彼はイエス様の姿やそのみわざを見たわけではありません。
しかし、「ナザレのイエスという人物は救い主かもしれない。様々な奇跡を行っているから」という噂を耳にしていたことは確実です。
彼は聞いたことを信じ、そこに望みを賭けました。
ですから、彼が物乞いとして道ばたに座っていた時に、イエス様一行が目の前を通っているとわかったので、
「ナザレのイエスだと聞いて、彼は『ダビデの子イエスよ、わたしをあわれんでください』と叫び出した」
(マルコ10:47)
という激しい行動に出たのです。
信仰とは聞いて信じるところから始まります。
そして、聞いていたことが目の前に現れたら、その時を逃さず、全力でそのチャンスをつかもうとすることです。
バルテマイは必死だったことでしょう。
この機会を逸したら、彼の目は一生開かれないのですから…。
なりふり構わず一途に求めること。
それが神との出会いでは模範的な行動の第一歩となるのです。
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バルテマイのように目の前にチャンスが来た時、パッと飛びつける瞬発力はどうやったら得られるのでしょうか?
その鍵は問題意識です。
自分の中に何か不全感があったり、これでいいのかと探し求める気持。
今あなたがそのような満たされない思いを抱えながら生活しているとしたら、バルテマイと同じくチャンスを逃さないで叫びをあげる力をお持ちだと断言できます。
T兄はその問題意識の持ち主でしたが、それが若い頃は親にぶつける、友人と夜中に騒ぐ等のマイナス方面に出ていました。
やがて彼は華やかな美容業界に憧れ、有名芸能人のヘアスタイルを担当するほどの美容師としてひとかどの成功を収めました。
しかし彼の問題意識がそれでなくなったわけではありません。
もっと何かないかという思いに駆り立てられ、経済的拡張が自分を満足させると考えたT兄は、その有り余るエネルギーで営業成績No.1のトップセールスマンに登りつめました。
ところが、それでも彼の心は収まりません。
どこに行っても成功してしまう彼が、それでも満足を得られないでいたそのような時を経て、クリスチャンの経営者とのつながりから教会に連れられ、イエス・キリストの福音を聞いたのです。
「これだ!」と思いました。
彼は一切を投げ打って牧師の道を選びました。
収入は急降下。しかし平安は急上昇の高値安定。
救われた平安の中にいるので、かつてのように業績で自分の安定を図る必要はなくなりました。
ですから、T牧師は常に
「自分は本当に至らない者だ。教えていただかなければならない者だ」
という謙遜を身にまとっており、実はこれこそ神様から与えられた最大の武器になっているのです。
なぜなら、そういう雰囲気を醸し出している人になら、周りの人は「ひとこと言ってもいいみたいだ」と気軽に教えやすくなるからです。
彼はそれを「ありがとうございます」と言って受け止め、全てを吸収しようとします。
この姿がさらに謙虚さを生み、祝福の好循環の中に生きておられるのです。
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満たされない思いは神との出会いのための跳躍台です。
神との出会いのチャンスが来た時、今のあなたの問題意識はあなたの重しになるどころか、逆にあなたを飛び立たせてくれるのです。
じっくりと力を養う今日として、一日を過ごして参りましょう。
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