今日のみ言葉【No.2127】(2019年10月24日)「神の国問答(7)」

2019年10月24日

映画「天国は、ほんとうにある」で紹介されたキリストの絵。
“Prince of Peace" by Akiane Kramarik

すると彼らはますます驚いて、互に言った、「それでは、だれが救われることができるのだろう」。
(マルコ10:26)

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キリストを描いた聖画には、苦しみ悩む十字架上のイエスの絵が多いのは当然です。

しかし、ここ数十年の間に、イエスは笑っていたはずだと考えるアーティストたちの「笑顔のキリスト」の絵が続々と出ています。

「富んでいる者が神の国にはいるよりは、らくだが針の穴を通る方が、もっとやさしい」
(マルコ10:25)

という言葉は、緊張した場面を和らげるイエス様のユーモアあふれる表現であり、厳しい顔で語られたのではなく、きっと弟子たちを笑顔でグルリと見回しながら語られたのではないかと思われます。

イエス様は楽しい人で、一緒にいると弟子たちは楽しくて仕方なかったことでしょう。

そのような方といると、こちら側の警戒心が解けて本音がポロリとこぼれるものです。

そんな弟子たちの口から思わず出たのが今日の聖句です。

「それでは、だれが救われることができるのだろう」
(マルコ10:26)

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この当時、裕福であるということは神から祝福されている結果だと信じられていました。

現代に生きる私たちも似たような考えを持っていますから、古代の人たちのことをおかしいとは言えません。

「あの人は神に従っているから経済的に祝福されている」

確かにそのような面もあります。

しかし、経済的豊かさで神の祝福を測ることは、学校の成績が良いからその人は善人だと判断するようなものです。

経済も成績も、その人の持っている一面に過ぎないのです。

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さて、弟子たちが信じていた物差しが一挙に崩れてしまいました。

それは、神の国に入るのにはお金も持ち物も関係ないとイエス様が語られたからです。

弟子たちの間には動揺が走りました。

「すると彼らはますます驚いて、互に言った、『それでは、だれが救われることができるのだろう』」
(マルコ10:26)

なぜなら彼らは自分たちが持っているものを捧げると、神の救いが得られ、祝福されると考えていたからです。

ペテロの次の言葉がそれを表しています。

「ごらんなさい、わたしたちはいっさいを捨てて、あなたに従って参りました」
(マルコ10:28)

この言葉の陰に隠れている

「だからご褒美ちょうだいね!」

という下心がありありと見えるようです。

イエス様は愛の御方ですから、ペテロの言葉を直接は否定せず、

「だれでもわたしのために、また福音のために、家、兄弟、姉妹、母、父、子、もしくは畑を捨てた者は、必ずその百倍を受ける」
(マルコ10:29-30)

と受けておられます。

神に従う者には必ず良き報いが用意されているという保証です。

しかし、ちゃんと言うべきことを言っておられます。

「今この時代では家、兄弟、姉妹、母、子および畑を迫害と共に受け」
(マルコ10:30)

自分にとって心地よいことばかりではなく、迫害もあるのだよと教えておられるのです。

そして、とどめはこれです。

「しかし、多くの先の者はあとになり、あとの者は先になるであろう」。
(マルコ10:31)

これはあたかもイエス様が次のように懇々(こんこん)と諭しているかのようです。

「ペテロよ、あなたが持っているものの全てを捧げることは素晴らしいことだ。しかし、それで自分の思い通りにはなるとは言えない。レストランで先に注文した人より後の人の注文が先に出されるようなことが起きるのだよ。順番が逆になってあなたの方が後回しになり、いつまでたっても祝福が来ないということがあっても何もおかしくないのだよ」

イエス様は、自分を犠牲にすることによって神の国に入ろうとする愚かさをじんわりと教えて下さっているのです。

神の国は自力で得られるものではありません。

神の国は、神の恵みによって与えられ、信仰によってそれを受け入れる時に初めて得られるものなのです。

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財産を捨てるという行為そのものに意味があるのではありません。

大体、神の国に入るのにあなたの財産ごときではとても賄(まかな)えません。

たとえあなたが命を捧げたとしても合格ラインには達しません。

神の国は、神の子イエス・キリストが捧げた命によってその門が開かれ、自分の罪のための身代わりの十字架の死であったと信じる者がそこを通過し、神の国に迎え入れられるのです。

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十字架を感謝し、受け入れ、神の国に入れられた喜びに浸る今日として参りましょう。

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