今日のみ言葉【No.2075】(2019年 8月20日)「順位争い(1)」
2019年8月20日
それから彼らはカペナウムにきた。そして家におられるとき、イエスは弟子たちに尋ねられた、「あなたがたは途中で何を論じていたのか」。彼らは黙っていた。それは途中で、だれが一ばん偉いかと、互に論じ合っていたからである。
(マルコ9:33-34)
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女優で冒険家の和泉雅子さんは、日本女性初の北極点到達の偉業を成し遂げました。
クレバスという、ちょっと目には見えない氷の割れ目がありそうな場所を通らなければならない時、落ちたら死ですから一同に緊張が走ります。
すると、こんな重大な時にもかかわらず、スタッフの一人が必ずジョークを言うのだそうです。
一同腹を抱えて笑います。
その直後、
「行くぞ!」
と急に声がかかり、皆一気に進み出します。
危険な所を渡るのに、緊張でガチガチした体では渡れない。リラックスした精神と身体で行って初めて思わぬ事態にも柔軟に対応できる。
そのような知恵としてジョークを語るのだそうです。
全く関係のない話をするのには、実は攻めの意味があったのです。
さて、聖書の弟子たちがしていた話は、攻めでなく現実から逃げるための話でした。
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イエス様は自分の死が近いことを悟り、弟子たちに受難予告を2度もしました。
人間の救いのため、罪の贖いのため十字架について死ななければならないと弟子たちに教えたのです。
それはたとえばテレビのアナウンサーが
「今までに経験したことのないほどの大雨が降ります。早めに安全な場所に避難して下さい」
と言っているようなものです。
当然、弟子たちはイエス様の受難について詳しく聞き、そうなった場合、自分たちはどうしたらいいか話し合うべきです。
ところが、彼らは避難も備えも何もしていません。
弟子たちがしていたのは、
「だれが一ばん偉いかと、互に論じ合っていた」
(マルコ9:34)
ということでした。
恐ろしい出来事には目をつぶり、必ずやって来る苦難に真っ向から立ち向かおうとはせず、現実から逃避していたのです。
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現実に取り組まない人間がまっ先に考えることは、自分です。
自分がどう思われているか、自分は全体のどの位置にいるか、自分は好かれているか嫌われているか、自分の健康状態はどうか、…。
そして自分と比較して、あの人はどうか、あんなやり方ではダメだ、自分はあの人よりはマシだ、と安心感を探そうとして他人を観察します。
これが神という絶対的価値観を持たない人間が取る方法です。
「私は神様から愛されていて、このままの私で十分なのだ。能力とは関係なく、存在しているだけで価値ある私なのだ」
というものがないと、宙ぶらりんの私をきちんと定めるために、他者との関係、比較の中で自分の位置を見つけようとするのです。
「だれが一ばん偉いかと、互に論じ合っていた」
(マルコ9:34)
という弟子たちの姿は、神を見失った人間の典型的な姿です。
このような価値観の世界の中を延々と回っている私たちに対して、イエス様はどう語り、どのようにこの世界から救い出してくださるのでしょうか?
それは次回以降に譲ります。
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現実に向き合えない弱さを持った自分を認めることから始めましょう。
そこから天の恵みの導きが始まります。
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