今日のみ言葉【No.1985】(2019年 4月10日)「回復の希望はここにある」
彼はれだまの木の下に伏して眠ったが、天の使が彼にさわり、「起きて食べなさい」と言ったので、起きて見ると、頭のそばに、焼け石の上で焼いたパン一個と、一びんの水があった。彼は食べ、かつ飲んでまた寝た。
（列王紀上19:5-6）
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第2次世界大戦末期のアウシュビッツのユダヤ人捕虜収容所で、1944年のクリスマスから45年の新年にかけて大量死が起きました。
ガス室送りが多くなったわけでもなく、伝染病が蔓延したからでもありません。
それは
「クリスマスまでには連合軍が来て我々を解放してくれる。クリスマスには家に帰れる」
という噂が立っていたからです。
しかしクリスマスが来ても何も起こりません。
翌日も今までと同じ日が続きます。
自分たちが思い描いていたとおりにはなりませんでした。
そして、希望を失い、抵抗力をなくした人々から次々と死んでいったといいます。
皮肉なことに、彼らを解放したのはソ連軍で、しかもそれは1945年1月27日。
実際は本当に間近に解放の日は来ていたのでした。
しかし、自分の持っているイメージがあまりに大きすぎると、それが現実と思ってしまい、自分の計画通りに行かなかっただけなのに、
「すべてが終わりだ。これが現実なのだ」
と人は思い込んでしまうのです。
聖書の中で、最強の預言者とも思われるエリヤもこの落ち込みを体験し、自ら死を願う場面が出てきます。
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エリヤは18章でバアルの預言者450人と対決し、神が天から火を下し、大勝利を収めました。
「神がわたしたちの味方であるなら、だれがわたしたちに敵し得ようか」
（ローマ8:31）
と勇ましく思ってもよいはずですが、彼は一転して恐怖の中に陥りました。
それは王妃イゼベルが、エリヤがしたことで落胆せず、むしろ
「もしわたしが、あすの今ごろ、あなたの命をあの人々のひとりの命のようにしていないならば、神々がどんなにでも、わたしを罰してくださるように」
（列王紀上19:2）
と復讐の念に燃えて立ち向かってきたからです。
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エリヤは、バアル神という偶像を礼拝する者たちに対する勝利は、全て自分にかかっていると思い込んでいたのです。
ここがエリヤの勘違いであり、私たちも陥りやすいところです。
自分でやったと思う人は、次に戦う場合、自分のコンディションが完全でなければならないと神経を使い過ぎるほど使います。
自分しか頼りがいないのですから当然です。
そこに強烈なイゼベルの挑戦がやってきました。
彼には神が助けとなってくれたという現実がかすんでしまい、ただただ頭に広がる王側の強大な軍事力というイメージが膨らみ、雪崩が下るように鬱状態へと落ち込んでいきました。
「主よ、もはや、じゅうぶんです。今わたしの命を取ってください。わたしは先祖にまさる者ではありません」
（列王紀上19:4）
彼は現代で言う「希死念慮」という症状を発するまでになっていたのです。
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このような場合忘れてならないのは、私たちの状態がどう変化しても、神は変わらないということです。
神はエリヤの頭のそばに、
「焼け石の上で焼いたパン一個と、一びんの水」
（列王紀上19:5）
を用意されました。
これと同じような記事が17章にあります。
「すると、からすが朝ごとに彼の所にパンと肉を運び、また夕ごとにパンと肉を運んできた。そして彼はその川の水を飲んだ」
（列王紀上17:6）
神は勇敢で神に信頼を寄せる時のエリヤも、落ち込んで神の力を忘れてしまったエリヤをも、同じように愛し、養って下さるお方なのです。
ここに私たちの回復の希望があります。
私たちが元気な時も、元気でない時も、神は変わらずにいて下さる。
我力に頼って「自分は大丈夫か」と神経をすり減らしながら生きるのではなく、どのような状態に陥っても最善へと変えて下さるこの方と共に生きる。
心の平安の泉はこのところにわき出すのです。
「わたしは平安をあなたがたに残して行く。わたしの平安をあなたがたに与える。わたしが与えるのは、世が与えるようなものとは異なる。あなたがたは心を騒がせるな、またおじけるな」
（ヨハネ14:27）
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変わらない神を思い起こし、あなたが思う現実ではなく、神が与える現実を選び取り、生きて参りましょう。
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