今日のみ言葉【No.1889】(2018年11月28日)「 弱さを残す」
御霊もまた同じように、弱いわたしたちを助けて下さる。なぜなら、わたしたちはどう祈ったらよいかわからないが、御霊みずから、言葉にあらわせない切なるうめきをもって、わたしたちのためにとりなして下さるからである。
(ローマ8:26)
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ウィンドウズ95が出る前のMS-DOS時代、海外製のバイブルゲーム「Exodus(出エジプト)」をプレイしたことがあります。
キーを連打するとモーセの口から「Word」(神の言葉)が発せられ、エジプトの魔術師をバッタバッタと打ち倒し、試練の岩を次々と打ち砕いて進んで行きます。
ところが、どんなにWord光線をぶつけてもビクともしない障害物がありました。
仕方がないので突破をあきらめ、遠回りせざるを得ません。
これは何だろうと思ってマニュアルを読むと、「人間の弱さ」とありました。
「なかなか秀逸な設定だなあ。このゲームをデザインした人は経験豊富なクリスチャンなんだろうなあ」
と感心した思い出があります。
どんなに無くそうと思っても、動かせない「弱さ」というものを私たちは持っています。
しかしその弱さを通して神の恵みは注がれるのだと聖書は言います。
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今日の聖句は、弱い私たちだからこそ聖霊が助けてくださるのだと語ります。
「御霊もまた同じように、弱いわたしたちを助けて下さる」
(ローマ8:26)
ただし聖霊はアラジンの魔法のランプから出てくる魔人のような存在ではありません。
あなたの願いを忠実に実現に至らせるしもべではないのです。
聖霊は私たちにキリストを理解させ、父なる神に導く働きをなさいます。
私たちはたとえ善いことをしようと思ってもすることができず、親切なことをしたつもりで実は的外れな事をしており、更にそのことを知らずに生きている存在です。
聖霊はそのような私たちをキリストに似た者となるよう導き、人間の自己中心極まりない祈りの中から、ほんのひとしずく、神の御心と合致する部分を汲みとって下さり、父なる神様に、
「神様、丸山はパソコンでゲームをして遊んでいるように見えますが、それはあなたの御心を更に知るためにしているのです」
ととりなして下さり、万事が益となるように取り計らっておられるのです。
「なぜなら、わたしたちはどう祈ったらよいかわからないが、御霊みずから、言葉にあらわせない切なるうめきをもって、わたしたちのためにとりなして下さるからである」
(ローマ8:26)
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特に、どんなにしても病から解放されない障害者の方々の生き方からそのことを学ぶことができます。
北海道の「浦河べてるの家」は精神障害等をかかえた当事者の地域活動拠点です。
ソーシャルワーカーであり、ベテルの家の理事でもある向谷地生良先生は、その著『精神障害と教会』(いのちのことば社刊)の中でこう書いておられます。
「統合失調症をはじめ精神障害をもつことの一番の困難さは、人とのコミュニケーションに独特の"ズレ"が生じることです」(同書P64)
視覚、聴覚等の五感に歪みが生じているので、カラスの鳴き声が嫌がらせに聞こえ、人の視線が「来るな」と言っているように感じられ、現実の人やその場とのつながりにギャップが生じます。
孤立感。
これがつらいので、人とのつながりの希薄さをなんとかして埋めようとしますが、「誤作動体質」がそれをさらに困難にしているというわけです。
では、身体から伝わってくる否定的情報を覆す暖かさに満ちた場とはどういう状態なのでしょうか。
それは、弱さを共有できる関係ができた時です。
「会った瞬間に『この人も自分と同じ人間だ』と実感できるつながり」(同書P70)
です。
「自分の弱さをありのままに伝えることができた時、周囲との間に張り巡らされた壁にポッカリと穴が開き、人とのつながりの実感が伝わってくるというのです」(同書P71)
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どんなにしても弱さから解放されない人生。
しかしそこには、
「弱さを共有せよ。そこではじめて人と人とはつながることができるのだ」
という神様のメッセージが込められているような気がします。
弱さに徹し、弱さに負けて這いつくばって生きる時、人は初めて神と共に生きられるのではないでしょうか?
弱い私たちを助ける聖霊とは、人をスーパーマンに変えるマシンではありません。
その弱い自分から強い自分に変えられても良いでしょうし、そのまま弱さの中で神をほめたたえる人間へと変えられる方もいらっしゃるでしょう。
大事なことは、弱さの中で神に愛されている自分を発見できるように聖霊は助けて下さるお方だと知ることです。
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聖霊のとりなしの祈りの中で毎日生かされている自分であることを心に留める今日として参りましょう。
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