今日のみ言葉【No.1773】(2018年 6月 8日)「 生きることに疲れた人 マタイ」
また途中で、アルパヨの子レビが収税所にすわっているのをごらんになって、「わたしに従ってきなさい」と言われた。すると彼は立ちあがって、イエスに従った。
(マルコ2:14)
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十代の娘さんが
「お母さん、私もう死にたい。いつ死んでもいい」
と言います。
様々な問題を乗り越えて、最近は随分元気になったのに突然何だろうとお母さんは驚きました。
あわてて
「あなたは私たちの大事な娘。そのままで生きていていいのよ」
と言うと、彼女は
「お母さん、何言ってるの。ただの冗談よ」
と言ってホッとさせるのですが、しばらくするとまた「あ〜、死にたい」と言い出します。
お母さんはずっと関わってくれたカウンセラーにそのことを相談しました。
するとこういう答えが返ってきました。
「この場合の『死にたい』は『生まれ変わりたい』です」
人は激しい否定的感情の裏側に生きる意欲をみなぎらせ、それをいつ爆発させるかと無意識のうちに虎視眈々と狙っているのです。
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アルパヨの子レビ、つまり取税人マタイこそその人物でした。
彼は取税人という経済的に恵まれた職を一瞬にして辞め、イエス・キリストの弟子として従っていきます。
「『わたしに従ってきなさい』と言われた。すると彼は立ちあがって、イエスに従った」
(マルコ2:14)
もしあなたが
「あの人、急に転職したんだよ。周りの人たちもビックリしてるんだって」
という話を聞いたなら、
・待遇が良くなかった
・人間関係トラブル
・過労死の危険性があった
等のことが思い浮かび、
「きっと以前から問題を抱えながら仕事をしていたのだろう。ずっと我慢してきたのではないか」
と察することでしょう。
マタイは自らが記者となったマタイによる福音書に
「はい、実は取税人という仕事に限界を感じておりました。ローマ帝国の後ろ盾がありますから経済的には豊かに暮らせてはいますが、結局ローマのためにお金を巻き上げる者だ、と同胞のユダヤ人から反感を買っているのは薄々わかっておりました」
などということは書いてはいませんが、マタイによる福音書にしか書かれていない言葉によって彼の内面が推察できます。
それは
「すべて重荷を負うて苦労している者は、わたしのもとにきなさい。あなたがたを休ませてあげよう」
(マタイ11:28)
です。
彼の耳にはこの言葉が入ってきたのです。
他の誰もが聞き流したり忘れたりする中で、マタイだけはピンと反応しました。
彼は重荷を負って苦しみ、それでも生きなければならない中で、とうとう生きることに疲れてしまったのでしょう。
そのことがこの聖書箇所によってうかがい知れます。
先の「死にたい」をマタイにあてはめれば、それは「重荷を負うて苦労している」というでした。
そして、マタイにとっての「生まれ変わりたい」は「休みたい」ということでした。
マタイはイエス・キリストからこの言葉を聞いた時、命が燃えたのです。
燃え出した命は、のんべんだらりと休むことを選択しません。
彼は生涯をかけて伝道し、福音書を完成させ、最後は殉教の死を遂げます。
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あなたが常日頃口に出している「ダメだ」「できない」という否定的言葉の背後には、命のガソリンが満々と蓄えられているのを認識しましょう。
そこに火がつけば一気に爆発し、マタイのように立ち上がって動き出します。
生きることに疲れを感じる時こそ、内なる命は次のステップを目指しているのだと思いを新たにし、キリストの命に生かされる日々を送って参りましょう。
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