今日のみ言葉【No.1640】(2017年11月 6日)「 世界は準備されている(1)」

しかし、時の満ちるに及んで、神は御子を女から生れさせ、律法の下に生れさせて、おつかわしになった。
(ガラテヤ4:4)

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あるお殿様が有名な絵師を招き、「梅の花が満開に咲く絵をこれに描いてもらいたい」と真新しい屏風(びょうぶ)を持ち帰らせました。

絵師の作業場で弟子たちが一心に墨を磨っていると、どこから入ってきたものか一匹の猫が現れ、硯(すずり)の上をタタタッと走ったと思うや、広げていた屏風の上を駆け抜けて行ってしまいました。

後に残ったのはいくつもの真っ黒な猫の足跡です。

弟子たちが「お殿様からお預かりした大切な屏風に猫の足跡とは…。これは切腹ものだ」と青ざめている中、絵師だけはニコニコと微笑み、弟子たちを帰らせ、自分の部屋にこもって仕事にとりかかりました。

やがて城中での御披露目の日、そこに現れたのはまぎれもなくあの屏風でした。

しかし猫の足跡はどこにもありません。

見えるのは梅の花の香が匂うかと思うばかりの満開の梅園の絵です。

お殿様から「見事じゃ!」とお褒めの言葉をいただく中、弟子たちは梅の木の部分に目を凝らしました。

すると、見えてきました。ありました。猫の足跡は確かにあります。

あるものは木の樹皮となり、あるものは切り株の部分となり、巧妙に隠したのではなく、それ無しでは絵が成り立たないほどピッタリとそこに収められていたのです。

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さて、このお話の絵師とは神様のことで、墨を磨った弟子たちは人間です。

猫は悪魔で、屏風は人間の歴史でありあなたの人生です。

そして満開の梅の花がイエス・キリストです。

人間が一生懸命生きようとし、準備していた墨が悪魔の手により真っ黒な足跡として過去に塗られてしまいました。

「今までやってきたことがこんなことになってしまうとは…」

そう思い、何十年と続けてきたことが無駄だったどころか、かえって悪くすることだったと知らされた日は絶望の日となることでしょう。

人生、それは拭えない過去として今もあり、これからも残っていきます。

しかし、絵師である神の手にゆだねる時、それらはすべて見事な絵となり、猫の足跡が必要欠くべからざる存在として用いられるのです。

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救い主イエス・キリストの来臨という絵には、どう考えてもマイナスとしか思えない出来事や、人間の汚点と思えるような材料がふんだんに使われています。

しかし、それらはあたかも以前から周到に準備され、これ抜きではキリストの福音が伝えられないであろうというほどキリスト到来の時にピタリと合わされています。

時が満ちるとはこのようなことなのです。

「しかし、時の満ちるに及んで、神は御子を女から生れさせ、律法の下に生れさせて、おつかわしになった」
(ガラテヤ4:4)

これからしばらく、どう見ても悪くなっていくとしか思えないこの世界が、実は神のご計画の中で全て大切なこととして用いられているのかを追っていきたいと思います。

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あなたの人生は準備されています。

見えない神の御手がこの先にあるのだと信じる一日を過ごして参りましょう。

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