今日のみ言葉【No.1641】(2017年11月 7日)「 世界は準備されている(2)」
その後わたしが見たのは、ひょうのような獣で、その背には鳥の翼が四つあった。またこの獣には四つの頭があり、主権が与えられた。
(ダニエル7:6)
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20代の神学生時代に台湾のキリスト教病院で病床牧会研修をしました。
入院患者さんたちを訪問し、その心の不安や悩みを聞かせていただき、聖書の言葉を用いて慰め、祈るという霊的ケアの実習です。
「台湾の人とは中国語でないと通じないのではないのか?」
いいえ、その当時65歳以上の人たちは皆日本語が話せたのです。
なぜなら、日清戦争後、台湾は日本の統治下に置かれ、更に太平洋戦争の前から日本語教育が強制的になされたからです。
支配とはこういうものです。
たとえ嫌でも、また反対する正当な理由があっても、支配される者は支配する者から服従させられるのです。
しかし歴史を見ると、そのような理不尽な行為の結果を神は聖なる目的のために用いてくださったことがわかります。
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バビロン捕囚時代に預言者ダニエルは将来起こる出来事の幻を見ました。
彼が見た4匹の獣の幻は当時の地中海世界を支配する国々の変遷を表しています。
しし(獅子、ライオン)はバビロニア、熊はペルシャ、ひょう(豹、パンサー)はアレクサンドロス大王の帝国、そして第4の獣はローマ帝国です。
3番目のアレクサンドロス大王の帝国が「豹」と表現されている理由は、その支配の素早さにあります。
彼は22歳でトップに立ち、またたく間に周辺諸国を配下に収め、インドまで征服しましたが、32歳の若さで急死してしまいます。
彼の死後、部下の4人の将軍たちが巨大な帝国を4つに分割して治めることになりました。
それが一言で表されているのが今日の聖句です。
「その後わたしが見たのは、ひょうのような獣で、その背には鳥の翼が四つあった。またこの獣には四つの頭があり、主権が与えられた」
(ダニエル7:6)
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アレクサンドロスはギリシャ文化の保護者で、これを帝国内に熱烈に広めました。
彼は土地だけでなく人々の心をも征服しようとしたのです。
ギリシャ文化が東方の文化と結びついてヘレニズム文化となり、当時の広大な地域にギリシャ語が普及することとなりました。
現代の英語と同じようにギリシャ語が世界の共通語となり、ギリシャ語で書かれたメッセージはエジプトでもイスラエルでもローマでもどこでも理解できる世界となっていたのです。
新約聖書がギリシャ語で書かれたのはこの由縁です。
キリストの福音のメッセージは、この共通の言語で通じるという世界の中、またたく間に広まっていきました。
神はアレクサンドロスを用いられたとしか言いようのない事実です。
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私も台湾で同じ恵みにあずかりました。
戦時中の皇民化教育としての日本語の強制などは決して良いことではないでしょう。
しかしそのおかげで私は日本語で自由自在にコミュニケーションが出来ました。
中には、「ああ、懐かしい」と子供時代に使っていた言語で話せることが喜びとなった患者さんもいたくらいです。
日本語という共通の言語によって私の祈りの言葉は相手に通じ、神の御言葉による愛と慰めと永遠の命の希望を届けることができたのです。
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「まさかこんなことが」と思うような出来事を神は用いてくださいます。
時が満ちた時にそれを見ることができるのだと希望を抱き、今日の一日の歩みを進めて参りましょう。
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