今日のみ言葉【No.1580】(2017年 8月 1日)「 アンネのバラの教会」
そこで主なる神は彼をエデンの園から追い出して、人が造られたその土を耕させられた。
(創世記3:23)
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今年は『アンネの日記』が出版されてちょうど70年の年に当たります。
第二次大戦中のナチス・ドイツによるユダヤ人ホロコーストの事実は人類の大きな汚点の一つです。
フランクル著『夜と霧』に記された強制収容所の様子に人間の罪の恐ろしさを感じない人はいないでしょう。
本来人間はそのような悲惨な状況で生きるのではなく、ずっとエデンの園という楽園で生活しているはずでした。
しかし、最初の人アダムとエバはそこから追い出されてしまったのです。
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創世記第3章には、現在の人間の困窮の原因が記されています。
人間が
「善悪を知る木からは取って食べてはならない」
(創世記2:17)
という神の命令に反し、自分の判断で木の実を食べ、神に意図的に反逆する者となってしまったことです。
「意図的に反逆する」とは、神の意志を知っていながらあえて御心を選ばないということです。
これが聖書で言う「罪」の本質です。
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罪を犯した人間と聖なる神は一緒に住むことはできません。
そこで神は
「彼をエデンの園から追い出して、人が造られたその土を耕させられた」
(創世記3:23)
のです。
楽園を追放された人間は土を耕して生きる糧を得るようにさせられました。
ところがその土は、
「地はあなたのために、いばらとあざみとを生じ」
(創世記3:18)
という土地です。
つまり、いばらとあざみしか生じない痩せた土地だったというわけです。
何もしなくても美味しい実が食べられたエデンの園から、一転、人間は労多くして実りが少ない世界を生きるようになったのです。
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神はこのような窮状に陥った人間をあわれみ、御子イエス・キリストを世に遣わされました。
そして、キリストの十字架が自分の罪の赦しのためであったと信じるだけで救われる世界を開いて下さったのです。
ですから、キリストを信じる者が耕す土地は同じ土地でも希望があります。
そこに救いの花を咲かせる人生が広がっているのです。
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『アンネの日記』を書いたアンネ・フランクを記念する教会が世界で唯一、日本にあります。
西宮市にある「アンネのバラの教会」です。
この教会が誕生したきっかけは、6千人のユダヤ人の命を救ったクリスチャン外交官、杉原千畝氏です。
杉原氏が発行した命のビザで彼らはシベリヤを経由して神戸にたどり着き、目的地のアメリカに向かいます。
神戸での一時滞在中、教会の母体となる団体の牧師たちが彼らを支えました。
戦後、その教会の合唱団がイスラエルに演奏旅行に行った際、アンネの父オットー・フランク氏から声をかけられます。
全く予想外の出来事でした。
「驚いた合唱団がオットー氏に童謡を歌うと翌年、『アンネの形見のバラ』が贈られてきた。その後、バラは接ぎ木で株を増やし、全国に広がり、西宮に『アンネのバラ』を冠した教会が建立されることにつながった」
(https://mainichi.jp/articles/20170726/ddl/k28/040/468000c 毎日新聞兵庫県版 2017年7月26日付)
杉原千畝氏はただ目の前のユダヤ難民を助けるために「その土を耕させられた」だけだったはずです。
しかし、イエス・キリストと共に耕す時、そこに生えるものはただの「いばら」ではなく、憎悪や偏見を乗り越えた「アンネのバラ」という美しい花となることを覚えたいものです。
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あなたがキリストにあって今日耕す土地には、やがて神の救いの花が開きます。
そのことを信じ、今日の働きを全うする一日として参りましょう。
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