今日のみ言葉【No.1564】(2017年 7月 8日) 092 「イエスの準備された食卓にあずかった弟子たち」(3)

彼らが陸に上って見ると、炭火がおこしてあって、その上に魚がのせてあり、またそこにパンがあった。
(ヨハネ21:9)

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昔は「ストレスを吹きとばせ!」と言われ、ストレス解消法がもてはやされましたが、今はそうではありません。

ストレスに対抗して頑張り過ぎるとポキっと折れてしまうので、ストレスは受けてしまい、へこむことが良いのだそうです。

そして「柳に雪折れなし」状態をイメージし、それを目指します。

柳の木に雪が積もっても枝が折れることはありません。

やがてどこかで雪を滑り落とし、スルリと復元します。

柳の木が喋れるなら、きっとこう言うでしょう。

「(1)こんなことは生きていく中でよくあることです。避けられませんが、(2)何とかやっていけるように私は神様からデザインされてこういう枝になっています。雪の重みは辛いですが、(3)これにも何か意味があるのでしょう」

(1)把握可能感、(2)処理可能感、(3)有意味感の3つの資質を備えた柳の木のような人は、過去に辛い体験があっても、あるいは今まさに試練を通過中であったとしても、心身共に不調に陥ることがありません。

イエス・キリストは心が折れてしまった弟子たちを回復させるために、食事を用意し、彼らを養われました。

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イエス・キリストは無条件に弟子たちと会おうとなさいました。

彼らがどんな心の状態であったとしてもです。

それはすでに出会う前から食事の準備をしていたことからわかります。

「彼らが陸に上って見ると、炭火がおこしてあって、その上に魚がのせてあり、またそこにパンがあった」
(ヨハネ21:9)

イエス様は

「お前たち何やってんだ?私は復活したんだぞ!状況はガラッと変ったのだから、これからは攻めの姿勢で行くのだ!」

などと言って尻を叩いて頑張らせる方ではありません。

弟子たちを慰め、潤す準備をして会おうとされ、回復を図られる御方なのです。

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現代は行き着く所まで行ったガンバリズムから方向転換しようと模索している時代です。

ある企業の講演を依頼された時のことです。

グループ内売上トップ50の営業所から集められた人たち向けの講演でした。

その方々向けの経営セミナーなどいくらでもあるのに、なぜ私が?と思いましたが、

「先生にはうちの社員向けに心にふれる話をしていただきたい」

という趣旨でしたのでお引き受けしました。

冒頭の社長の挨拶、来賓の方々の挨拶では

「○○社の倒産、日本経済の先行き不透明感、厳しい状況…」

という否定的悲観的内容の話ばかり。

私の経験では経営者の挨拶や朝礼の99%は否定的内容です。そして聞く社員の99%は目を伏せて聞き流しているような様子です。

この会場でも同じだろうなあ…、と思って社員の方々に目をやると、何と全員メモをとっていました。

これにはビックリ!。さすがにトップ50の精鋭たちは違います。

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さて、そこまで頑張っていたらどこかでしわ寄せが来るはずです。

あちらに手をかけた分、こちらは手が抜け、手を抜くつもりはなくても手が回らない状況になります。

家庭や健康を犠牲にし、それらを代償にして目標達成している方々なのだとうっすら見えてきました。

しかし、それらをもろともせず、頑張ってきた方々なのです。

だからこそ、「心にふれるお話をしていただきたい」と代表の方が頼まれたのだな、とわかりました。

私の話が始まると、身を乗り出して聞く方がおられ、また明らかに抵抗して聞く方もおられました。

それも当然です。

私がなすべきことは、キリストの代理として聴衆の皆さんに「炭火と魚とパン」を提供することです。

そしてその方々のお一人でも「柳の木」として生きられるように祈ることです。

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キリストは私たちを走らせる方ではなく、何も言わずに食事の用意をしていてくださる御方です。

このような出会いができる人とは、弟子たちのように「何もできません」「希望も力もありません」と身にしみてわかった人たちです。

もちろん売上トップの優秀な人たちもイエス様に出会えますが、どん底の中にいる人もイエス・キリストと出会えます。

そしてキリストの愛の中で育まれ、力を得ていくのです。

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今日一日、心の回復を目指すひとときを持って参りましょう。

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