今日のみ言葉【No.1565】(2017年 7月10日) 093 「ペテロ(あなたはわたしを愛するか)」(1)

彼らが食事をすませると、イエスはシモン・ペテロに言われた、「ヨハネの子シモンよ、あなたはこの人たちが愛する以上に、わたしを愛するか」。ペテロは言った、「主よ、そうです。わたしがあなたを愛することは、あなたがご存じです」。イエスは彼に「わたしの小羊を養いなさい」と言われた。
(ヨハネ21:15)

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アラスカで鮭の遡上を見るツアーに参加したY兄はワクワクしていました。

澄み切った水、力強く泳ぐ鮭の群れ、それを狙う熊…!

ところが、行った先で彼が体験したのは強烈な臭いでした。

産卵先まで到達できず、途中で力尽きた鮭の死骸が累々と重なり、腐って異臭を放っていたのです。

鮭たちの長く苦しい旅は失敗で意味がなかったのでしょうか?

いいえ、彼らの体は川に溶け込んでカルシウムやリンとなり、長期にわたって動植物に栄養を供給する源となっています。

神様の大きな御手の中で全ては生かされ用いられる一つの例です。

ペテロの人生の大失敗は、イエス・キリストの関わりによって生涯尽きることのないエネルギーの源となりました。

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実はイエス様の要求は高くて厳しいのです。

「わたしを愛するか」の愛はアガペーの愛です。

無価値なものをも愛する愛。報われることを求めない一方通行の愛。無償の愛です。

特にそれは究極の自己犠牲の愛を表します。

「人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない」
(ヨハネ15:13)

イエス様はこの愛で、しかも「この人たちが愛する以上」という要求をプラスしてペテロに求められました。

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ペテロの反応はどうだったでしょうか?

彼は以前、

「たといあなたと一緒に死なねばならなくなっても、あなたを知らないなどとは、決して申しません」
(マタイ26:35)

と言っていました。

アガペーの愛を全うする意欲満々だったのです。

しかし、いざキリストが逮捕されると自分は逃げてしまい、その後、イエス・キリストとの関わりは一切ないと3回否定してしまうのです。

「ペテロは『鶏が鳴く前に、三度わたしを知らないと言うであろう』と言われたイエスの言葉を思い出し、外に出て激しく泣いた」
(マタイ26:75)

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ペテロの心の中は、イエス様が言われる神の愛(アガペー)で愛すると宣言したいところだったでしょう。

しかし、

「自分とは何と頼りないものか」

「必ず約束を果たすと皆の前で誓っても、果たしてそれが全うできるかどうか自信はもう無くなった」

というような思いの方が圧倒的に大きかったのです。

ですから、ペテロの返事

「主よ、そうです。わたしがあなたを愛することは、あなたがご存じです」
(ヨハネ21:15)

の「愛する」には、アガペーの愛でなくフィリアの愛が使われています。

フィリアとは友情という意味で、同じ環境で生活する時に人間が持つ親愛の情です。

とてもとても自分を犠牲にする愛など自分には無い。

せめてできるのはフィリアの愛で愛することだけです、というペテロの精一杯の思いがこの一行に表されているように感じられます。

彼の心の傷は深く、その挫折体験は彼の人生に大きな影を落としていました。

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この後イエス様は、ペテロに3度「私を愛するか」と問われます。

3度イエス様を否定したペテロの心の傷を癒すために、同じ回数にされたのだと言われています。

そしてペテロのいる位置まで降りてきて、彼を受け入れ、更に彼の下になって仕える姿となられます。

それは次回以降に譲ります。

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人生のどんな要素も神に用いられる時に光を放つことを覚える今日として参りましょう。

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