今日のみ言葉【No.1426】(2016年12月 2日) 049 「ゲッセマネの園でのイエスと弟子たち」(1)

「わたしは悲しみのあまり死ぬほどである。ここに待っていて、目をさましていなさい」
(マルコ14:34)

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父の心臓手術の直前の二晩、私は病室の簡易ベッドで泊まり込みました。

夜中ふと目を覚ました時にそばに誰かがいる、ということが父の心の安定につながるからです。

「今何時だ?」「起きてるのか?」

それに対して、

「2時だよ」「すぐ眠れるよ」

などという簡単な応答をするだけですが、私の存在がそれだけで力になったようです。

十字架につく直前、イエス様は弟子たちにそばにいてほしいと願いました。

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イエス・キリストは、十字架の苦しみを前にして、ゲッセマネの園で祈りの時を持たれました。

いみじくも、ゲッセマネとは「油しぼり」を意味します。

ここでイエス様は、「恐れおののき」、「悲しみのあまり死ぬほどである」と隠すことなく弟子たちに気持ちを語られました。

このような時に人間が一番欲しいものは、誰かに共にいてもらうことです。

ですから弟子たちに、

「ここに待っていて、目をさましていなさい」
(マルコ14:34)

と求められました。

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ここに人となられた「人間イエス」の面が現れています。

神の子なのですから、本来、何も恐れることなどないのです。

「手術?十字架?試練? はい、何でもどうぞ」

と、心をかき乱されるなどとは全く無縁の世界を生きていられるはずです。

しかし、イエス様は人の心の弱さ、不安、気持ちのアップダウン、全てを体験されました。

ですから、

「わたしは悲しみのあまり死ぬほどである。ここに待っていて、目をさましていなさい」
(マルコ14:34)

と弟子たちに、そばで一緒にいることを求められたのです。

イエス様は私たちの心の動きの全てに共感される御方として、私たちのそばにおられます。

「この大祭司は、わたしたちの弱さを思いやることのできないようなかたではない。罪は犯されなかったが、すべてのことについて、わたしたちと同じように試錬に会われたのである。」
(ヘブル4:15)

キリストを信じて生きるとは、このような方が私の窮地の時に共にいてくださると信じて平安を得ながら生きることです。

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A姉は仕事帰りに暴漢に襲われそうになりました。

幸いケガの程度は軽く、犯人もその場で捕まり、警察の事情聴取、その後の示談交渉等、気丈にこなしました。

しかし、「いつ襲われるかわからない」という恐怖がつきまとい、すぐその土地から引っ越しました。

彼女は「自分の身は自分で守るしかない。強くなろう」と決心し、様々な訓練を自分に施しました。

数年後、別の街で違う仕事をし、「私は強くなった」と実感しながら悠々と生きるAさんの姿がありました。

めでたし、めでたしです。

しかし彼女の場合、恐怖感を閉じ込めただけで、不安や恐怖を直視できるようになったのではありませんでした。

それはちょうどコマが高速で回転しているから立っているようなもの、自転車のペダルを漕ぎ続けているので倒れないでいるようなものです。

動き続けていられるうちはいいのですが、何かの拍子に止まってしまうと、パタンと倒れてしまう脆い強さだったのです。

Aさんはやがてストレスが重なったことをきっかけとして鬱になり、動けなくなってしまいました。

友人の助けでカウンセリングスクール、そして教会へと導かれ、「弱くてもいいんだよ」というメッセージに暖かくつつまれ、初めて、自分の中に不安やおびえ、怒りや悲しみの感情があることに気づいたのです。

「宗教なんて弱い人間のすること。強い私には必要ないわ」

と言っていたAさんでしたが、洗礼を受けてクリスチャンになられました。

そこまでに至る理由を彼女はこう述べておられます。

「強くなりたいと思えば思うほど安心したいと望み、安心を求めて日本中を旅してさまよい歩いていた間もずっと神様は共にいてくださったのを知った時、今の私もかつての私も、なんて祝福に満たされていたんだろうと思えたのです。」

神様は今もこれからも、そして暗かった過去も祝福色に染めてくださったのです。

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あなたのすべての感情に共感して下さるイエス・キリストが今日もあなたと共におられます。

安心をいただき、祝福の一歩を進めて参りましょう。

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