今日のみ言葉【No.1392】(2016年10月21日) 037 「18年間病に苦しんだ女と会堂司」(2)

ところが会堂司は、イエスが安息日に病気をいやされたことを憤り、群衆にむかって言った、「働くべき日は六日ある。その間に、なおしてもらいにきなさい。安息日にはいけない」。
(ルカ13:14)

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ずいぶん昔の話ですが、イスラエルに留学した日本人学生のアルバイトがありました。

それは金曜日の夕方、ユダヤ人の家に行き、電灯のひもを引いて消灯する、という仕事です。

それだけでバイト代が支払われます。

ひもを引くことは労働に当たるので、金曜日の日没から始まる安息日では律法違反になります。

それでわざわざ律法に関係のない異邦人の日本人に有料で頼んでいたのです。

それくらい、ユダヤ人には律法、安息日を守るという意識が徹底しています。

イエス様の時代、それは今よりももっと厳しいものでした。

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18年間病に苦しんでいた女が癒された日は安息日でした。

安息日は、神が人間に対して労働を休むようにと定められた日です。

イエス様がなさったことは、「医療行為」なので労働にあたりますから、労働の休止を命じた神の律法に反する、というのがこの会堂司の論法でした。

当然、会堂司はイエス様と対面するはずです。

ところが、彼は群衆に向かって自分の意見を述べました。

「ところが会堂司は、イエスが安息日に病気をいやされたことを憤り、群衆にむかって言った、『働くべき日は六日ある。その間に、なおしてもらいにきなさい。安息日にはいけない』。」
(ルカ13:14)

これは明らかに筋違いです。

正面切ってイエス様に主張すればいいものを、なぜ向き合えなかったのでしょうか?

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その答えは15節にあります。

「主はこれに答えて言われた、『偽善者たちよ、あなたがたはだれでも、安息日であっても、自分の牛やろばを家畜小屋から解いて、水を飲ませに引き出してやるではないか。』」
(ルカ13:15)

これはどういうことかというと、「自分の牛やろばを家畜小屋から解いて、水を飲ませに引き出してやる」という行為は労働に当たるので、その日が安息日ならしてはいけない行為のはずです。

しかし実際そんなことをしたら家畜たちの健康を損ねます。ひいては自分たちの生活も成り立ちません。

ですから、安息日遵守は建前であって、実のところ、会堂司を代表とする人々の本音は

「律法を守るより、自分たちの生活を守る」

ということだったのです。

本音と建前の二つを持ち、自分の本音は許容し、人には建前を行わせる会堂司の本当の姿をイエス様は示されました。

どこかで自分の本当の姿をごまかしている人、本音の部分を隠したり否定したりする人は、いざという時、堂々と向き合えないものです。

イエス様はそれ以上、彼らの罪を追求しません。

なぜなら、イエス・キリストはそのような私たちの罪を赦し、そこから解放し、自由に生きられるようにとこの世に来られた御方だからです。

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自分の中の二重構造に気づいたら、そこで立ち止まり、それ以上自分を守ることをストップさせましょう。

そこから先はイエス・キリストに守っていただく人生が用意されているからです。

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