今日のみ言葉【No.1097】(2015年 7月28日)

母のその子を慰めるように、わたしもあなたがたを慰める。
(イザヤ66:13)

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「今晩、何を食べたいですか?」

この単純な質問に正確に答えられない人が数多くいます。

「冷蔵庫に昨日の夜の煮物が残っているので、これでカレーを作ります。一晩寝せたことになるから、味がしみてコクのあるカレーになりますよ」

「今日までの賞味期限のアレを食べないといけないので、今晩はそれにします。」

これはいずれも私の答えです。

質問に正確に答えていないというのは、食の本能ではなく、経済観念で食べるものを決めているからです。

このまま行くと、お金が惜しいばかりに、自分が本当に欲していて「食べたい」と思うものを食べずに一生を終わることになります。

人間は自分が本当に願っているものは何かを知らずに生きています。

特に今日の聖書個所では、それは「慰め」だと語っています。

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イザヤ書の最終章で、預言者イザヤは世の終わりと新しく始まる新天新地のビジョンを記しています。

そこには最後の審判や王としての救い主の到来などが書かれていますが、苦しみに遭った民に対して慰めが与えられることが約束されています。

「見よ、わたしは川のように彼女に繁栄を与え、みなぎる流れのように、もろもろの国の富を与える。」
(イザヤ66:12)

まず、損失が十分に埋め合わされ、差し引きゼロになった上にさらに富が加えられると記されています。

しかし人はそれだけで満足するのではないことが現代の調査によってわかってきました。

アメリカの経済誌『Forbes(フォーブス)』が、世界の長者番付に列せられる人たちの精神的満足度を調査したことがあります。

何とそれらのお金持ちの約4割が、普通の平均的所得のアメリカ人より満足度が低かった、という結果となりました。

日本でも国民の幸福度調査があり、過去において経済成長と幸福度は比例していました。

お金が儲かり、物が豊かになると、幸せを感じていられたのです。

ところが、衣食住の心配がなくなり、ある程度満たされた後、幸福度は上昇ではなく横ばいになっています。

人生の様々な問題を「消費」で紛らわせ、なんとか気持ちの折り合いをつける生き方には限界があるのです。

生きることには問題がつきまとい、しばしば理解することのできない不条理な出来事が起こります。

神はそのあなたに「慰め」という神の解答を与えておられるのです。

「あなたがたは乳を飲み、腰に負われ、ひざの上であやされる。母のその子を慰めるように、わたしもあなたがたを慰める。あなたがたはエルサレムで慰めを得る。あなたがたは見て、心喜び、あなたがたの骨は若草のように栄える。」
(イザヤ66:12-14)

なぜこれが起こるのかわからない。

自分にはわからないが、神様は知っておられる。

そして私の本当の心の底の底までご存知であり、私の心のある場所まで降りてきて下さり、共に悲しみ、慰めて下さる。

ここに私たちの心を真に満たす救い主の存在があるのです。

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日本の教会は女性が多いです。ですから、

「私の夫はどうしたら救われるでしょうか?」

という質問をよく受けます。そのような奥様方に、私は時々、

「一緒に溺れてみて下さい」

と言います。

特に、

「イエス様を信じたら助かるのよ。大丈夫なのよ。」

と言う、一見信仰深そうな人に対しては、なおさら強く言わせていただいております。

なぜなら、この世の海で苦労し、溺れかけている夫に対して、妻は陸の上の安全な場所から離れようとしていないからです。

これは夫がクリスチャンで妻が未信者の場合も同じです。

溺れている人は大概まじめな人で、一生懸命やっています。なのに報われません。

ところが一方、チョイチョイと要領よく手を抜いてやっている他の人たちは優遇され、自分は理不尽な思いを味わわされているとしか思えません。

「あなたの言う神はどこにいるのか?」

と感じて当然なのです。

この方々に、

「イエス様を信じたら助かるのよ。大丈夫なのよ。」

は通じません。聞こえません。

分かるのは、溺れてどんどん海の底に沈んでいく自分の手をしっかり握ってくれる誰かの手の感触だけです。

安全な陸から離れ、海に飛び込み、浮き輪からも手を離し、一緒に溺れてくれる存在。

「あなたはこういう苦しいところを通っていたんですね」

と同じ苦しみを感じ、それをわかちあう人。

それが慰めの人です。

その人が握る手を通して、キリストの命が相手に伝わっていくのです。

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主の慰めは、あなたを通してどなたかに伝わっていきます。

まず自分がじっくりと神の慰めをいただき、どなたかの心に触れさせていただく一日として参りましょう。

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