今日のみ言葉【No.782】(2014年 3月10日)

「わたしがもし死なねばならないのなら、死にます」
(エステル記4:16)

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私の母の兄は特攻隊員でした。

出撃命令が下れば、お国のために命を捧げ、敵艦に向かって体当たりして死ぬ運命です。

ですから、隊員たちが食べる食事は、他の一般部隊とは違って上等なものを軍は支給しました。

伯父は死の恐怖を紛らわすため、毎日一級酒を浴びるほど飲んでいたそうです。

しかし、出撃命令が下る前に8月15日の終戦が来て復員。

その後の虚脱感、そして特攻隊員時代の豪勢な食生活と食糧難の戦後生活のギャップに翻弄されたといいます。

ことほど自分で「死ぬ」と定めることは大変なことなのです。

しかし今日の聖句ではエステル自身がそのことを決心しています。

その理由は何だったのでしょうか?

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ハマンの策略により、ユダヤ人がペルシャ国内から一掃されることが決まりました。

国外追放ならまだ良い方で、国内にいれば殺されてしまうという命令です。

王宮内にいるエステルはこれを知りませんでしたが、モルデカイの尋常でない様子を心配したことがきっかけで、彼女は事実を知ることとなります。

モルデカイはエステルに

「王のもとへ行ってその民のために王のあわれみを請い、王の前に願い求めるように」
(エステル記4:8)

と告げます。

しかしエステルは躊躇します。

「召されないのに内庭にはいって王のもとへ行く者は、必ず殺されなければならない」
(エステル記4:11)

という法律があることを知っていたからです。

彼女はモルデカイの言う通りにすることに命の危険を覚え、身の安全を図ったのです。

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モルデカイは3つの点で彼女を説得します。

(1)王宮の妃であっても安全ではない。

命の危険は実は変わらない。

(2)沈黙を守っていれば他のところから救いは起こる。

神は目的を必ず果たされるお方です。エステルが何をしなくても神は他の方法を用いてユダヤ人をお救いになるでしょう。しかし、エステルとその一族は神の祝福に預かることは出来ません。

(3)今のあなたの存在理由は何か。

「あなたがこの国に迎えられたのは、このような時のためでなかったとだれが知りましょう」
(エステル記4:14)

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賢いエステルは現状を悟り、同胞のユダヤ人に祈りを求めました。

自分一人の力でこの難局を乗り切ることはできないことを知っていたからです。

その上で、

「ただし王がその者に金の笏を伸べれば生きることができる」
(エステル記4:9)

という可能性一つに賭ける決心をしました。

「わたしがもし死なねばならないのなら、死にます」
(エステル記4:16)

とは、このような事の積み重ねの上に成り立つ神への信頼があって初めて言える言葉です。

軽々しく言い放てる言葉ではありません。

状況をよく知り、自分は何のためにここにいるのかを確認し、神への信頼があってこその言葉なのです。

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あなたが今ここに置かれている意味は何でしょうか?

そのことを思いめぐらす一日として参りましょう。

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