今日のみ言葉(2012年 4月14日)【No.285】
女は言った、「主よ、だれもございません」。イエスは言われた、「わたしもあなたを罰しない。お帰りなさい。今後はもう罪を犯さないように」。〕
(ヨハネ8:11)
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ヨハネ福音書8章の冒頭の部分は、有名な姦淫の女の話です。
ところで、7章の最後から8章11節まで、
〔 〕
という括弧でくくられているのをお気づきだったでしょうか?
この部分は古い写本にはなく、後期の新しい写本に忽然と出現した個所だからです。
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印刷機のない昔、聖書は全て手書きで、原本となるものを写していました。
これを「写本」(しゃほん)と言います。
写本の真偽を判断するには、オリジナルに近い方が本物と判断されます。
従って、年代が古い方が本物で、後期の物にはオリジナルには無い書き加えがあったと考えるのが当然でしょう。
そのような事情がありながら、この姦淫の女の記事は聖書に入っているのです。
律法では姦淫は石打ちの刑、すなわち死刑でした。
おそらく、あまりにも赦しの恵みが深すぎるので、この一連の出来事とその驚くべき結末を文字にして公にすることは伏せられたのでしょう。
しかし、人々の間では口伝えで語り継がれ、ある一定の年月がたった後、写本に残されたのだと考えられています。
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私はこの聖書個所を解き明かして下さった先生から、次のような質問を受けました。
「今読んだ個所の最後に、イエス様が女に言ったことがある。何と言ったか覚えていますか?聖書を開かずに記憶だけで答えて下さい。」
私の答は、
「今後はもう罪を犯さないように」
でした。
するとその先生は、
「あなたの答は正しい。しかしイエス様はそれを言う前に別のことを言っていますよ」
と指摘されました。
私はどうしても思い出すことが出来なかったので、
「今後はもう罪を犯さないように、としか言ってなかったように思うのですが…」
と答えたところ、一緒に聖書を開いて下さいました。
そして、罪を犯すな、と戒める前、確かに、
「わたしもあなたを罰しない」
と聖書に書かれていることを発見し、当時の私は唖然としてしまいました。
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聖書を閉じ、先生が次のように言われたことは生涯忘れられません。
「あなたの人生に欠けているのはこのところだ。あなたは罪を犯さないように一生懸命自分を戒めているが、それをする前に、あなたを責めることなく、罰することもしないというイエス様の赦しを受け入れなさい」
そしてこちらの心にしみいるような笑顔で、
「私もそうだったんだよ」
と語りかけて下さったのです。
私はその瞬間、「赦し」を体験しました。
知識としての赦しではなく、
「赦しもわからないなんて、こんなことではダメだ」
と自分を打ちたたくサイクルに再び入ってしまいそうな私をそのまま受け入れ、先生自身がイエス様に赦されたその恵みが私にも流れてきたのです。
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「わたしもあなたを罰しない」という神の御言葉をまず聞いて参りましょう。
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