今日のみ言葉【No.2334】(2020年 8月 7日)「終わりから始める(3)」
この女はできる限りの事をしたのだ。すなわち、わたしのからだに油を注いで、あらかじめ葬りの用意をしてくれたのである。
(マルコ14:8)
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悩み解決法の古典的名著に『道は開ける』(デール・カーネギー著)があります。
この本で紹介されているたくさんの方法の中のひとつに「最悪を受け入れる」というものがあります。
次の3つのステップです。
(1)起こりうる最悪を予測します。
売上が落ちて会社が倒産する、好きな人に告白して断られる、重い病気だと診断される、等です。
(2)その最悪を受け入れます。
失業する、ふられる、入院する等の最悪だと思われる状況を、まず頭の中で受け入れるのです。
すると、「どうしよう、どうにもならない」と堂々巡りをしていた心が落ち着きます。
気が軽くなって心に平安が訪れると、頭が回りだします。
「店が潰れても、それで人生が終わったわけではない」
「フラレるのはつらいけど、いい経験かもしれない」
「この病気は今すぐ死ぬものではない。まだ家族と過ごす時間がある」
これらは私が今まで聞いてきた「最悪を受け入れた人たち」がその直後に語った言葉です。
(3)最悪を少しでも良いものにしようとする。
最悪を「仕方ありません」と受け入れた後、それを少しでも良いものにするために時間とエネルギーを集中するのです。
100万円損するのが明白なら、5万でも10万でも回収しようと努めるということです。
その過程は悩み続けるよりよほど充実しています。
その良質な時間の中でなら、劣勢を挽回する新しいアイディアは生まれやすいものです。
マリヤはこのステップを通り、イエス様の死という最悪を受け入れ、それならばと事前に葬りの準備ができた人です。
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ベタニヤ村のマリヤがどのようにしてイエス様の死を直感できたかは聖書には書いてありませんが、そのことは次のイエス様の言葉から明らかです。
「この女はできる限りの事をしたのだ。すなわち、わたしのからだに油を注いで、あらかじめ葬りの用意をしてくれたのである」
(マルコ14:8)
イエス様はこれ以前に3度、ご自分の受難を弟子たちに予告しておられました。
「人の子は人々の手にわたされ、彼らに殺され、殺されてから三日の後によみがえるであろう」
(マルコ9:31)
しかし、彼らの反応は
「彼らはイエスの言われたことを悟らず、また尋ねるのを恐れていた」
(マルコ9:32)
というものでした。
誰も最悪を受け入れてはいなかったのです。
ペテロに至っては、
「主よ、とんでもないことです。そんなことがあるはずはございません」
(マタイ16:22)
と、先生であるイエス様をいさめるほど、その死はあってはならないものとして受け入れませんでした。
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しかし、マリヤは
「イエス様は死ぬのだ」
と最悪の出来事としか考えられない死を予測し、それが起きないように防ごうとはせず、受け入れました。
そして、間もなくお亡くなりになるのなら、自分ができる最善は何かと考え、高価なナルドの香油を捧げて、葬りの用意をしたのです。
終わりから考え、今をどう生きるかを決定し、行動する。
マリヤのこの行為は、イエス様からほめられ、高く評価されました。
「よく聞きなさい。全世界のどこででも、福音が宣べ伝えられる所では、この女のした事も記念として語られるであろう」
(マルコ14:9)
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どうやったらそのように生きることができるのか?
そのポイントは、価値観の転換です。
次回はその点について共に聖書を見ていきましょう。
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最悪は想像するだけでも恐ろしさを感じますが、イエス様が一緒にそこを通ってくださると信じられるので、私たちは最悪を受け入れることができます。
「たといわたしは死の陰の谷を歩むとも、わざわいを恐れません。あなたがわたしと共におられるからです」
(詩篇23:4)
キリストが共におられると信じ、人生の新しい領域に一歩足を踏み出して参りましょう。
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