今日のみ言葉【No.2074】(2019年 8月19日)「キリスト教イロハ（9）『アルファとオメガ』」
「わたしはアルパであり、オメガである」
（黙示録1:8）
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英語のアルファベットと言えば、「ああ、ABCと続くあれか」と思い浮かびますが、これはギリシャ語から発生しています。
ギリシャ語では、アルファ、ベータ、ガンマ（αβγ）…、と続き、最初の「アルファベータ」から「アルファベット」となりました。
聖書でもこの語が使われています。
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新約聖書はギリシャ語で書かれています。
ギリシャ語アルファベットの最初の文字がα（アルファ）であり、最後の文字がω（オメガ）です。
これは一対で用いられ、物事のはじめと終わりを表現します。
イエス・キリストは
「わたしはアルパであり、オメガである」
（黙示録1:8）
と言われました。
父なる神とキリストが初めであり終わりであるとは、一切のものの根源は神から始まり、物事の最終目的は神にあるということです。
難しいので簡単に言います。
私たちの周りで自分の意志に関係なく起きる出来事があり、それらに振り回されることがあります。
また、自分の思いで選んで始めたことが、うまく行ったり、逆に後悔したり、様々なことがあります。
聖書ではそれら全てが神から始められたのだ、と考え、表現しているということです。
例えばあなたが祈り始め、努力の甲斐あって願いがかなったとします。
聖書では、神があなたに祈るように促したのであなたが祈ろうと決意し、完成に至るまで神が導いて下さった、と考えているのです。
そうなると人間はただの操り人形のように思えますが、実際に生活の中で祈りながら人生の難しい選択をしていくと、そんなふうには思えません。
ひと段落つき、やっと落ち着いた時、ふと振り返ると、
「ああ、神様が始めて下さったから自分は決心して始めることができたのだ。途中で無理だとあきらめそうになった時、ダラダラと形式的にでも続けることができたのも神様の支えがあったからなのだ。そしていくつもの困難を排除してくださり、完成に至らせてくださったのも神様のおかげなのだ。自分の力ではこれはできなかった」
と無理なく、心から思うものなのです。
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神が初めであり終わりであり、第一原因であり完成であると見ていくと、聖書のわからなかった部分がわかってきます。
たとえば、旧約聖書の出エジプト記で
「主はパロの心をかたくなにされたので」
という表現があります。
私はこれを最初に読んだ時、
「なんだ、神様って、パロの心を悪役向けにコントロールして、勝手に悪者に仕立て上げたのか」
と思いました。
しかしそういうことではありません。
神はパロの心を一切操作せず、彼の思うがままにさせておいたのです。
これは現代に生きる私たちも同じです。自由に思い、自由に選択できる人生を送っています。
さて、パロはモーセの言うことを聞かず、自分の思いを通し、神の言葉に従うことをしませんでした。
彼は自分で自分の心をかたくなにしたのです。
しかし、聖書では神がアルファでありオメガとします。
神が第一原因で、パロより先に神が最初だとするので、
「パロがその心をかたくなにしたのは、神が彼の心を自由にさせて取り締まらなかったからだ」
と考えます。従って、
「主はパロの心をかたくなにされた」
という表現になるのです。
また、これはイザヤ書においても同じです。
「あなたはこの民の心を鈍くし、その耳を聞えにくくし、その目を閉ざしなさい。これは彼らがその目で見、その耳で聞き、その心で悟り、悔い改めていやされることのないためである」
（イザヤ6:10）
これをそのまま読めば、民は神から心を強制的に閉ざされ、何と可哀想ことか、と思いますが、そうではなく、民が自分の選択で悔い改めようとしなかったのですが、神を第一原因とする表現をとるとこうなるのです。
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アルファとして始め、オメガとして最善の結末を迎えさせようとする神と共に今日もしっかり歩んで参りましょう。
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