今日のみ言葉【No.1967】(2019年 3月19日)「エパタ(開けよ!)(4)」
2019年3月19日
天を仰いでため息をつき、
(マルコ7:34)
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あなたはどんな時にため息をつかれますか?
がっかりした時、一生懸命頑張った努力が思うように報われなかった時、嘘をつかれたと知った時…。
イエス様は自分のためにため息をついたことはなく、人のためにため息をつかれました。
つまり、私たちと共に苦しんでくださる御方だということです。
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イエス様は耳の聞こえないこの人に目を向け、どうしようもない現実を見つめたのではありませんでした。
イエス様は天にいらっしゃる父なる神様の方を向かれました。
「天を仰いで」とは、ただボーッと空を見上げたのではなく、ここは空を突き抜けた向こう側、天にいらっしゃる父なる神に面と向かっているイメージです。
全能の神にこそ癒しの力がある。
憐れみ深い神にこそより頼む。
その祈りが「ため息」となって現れたのです。
ですから、イエス様のため息は失望のため息ではありません。
これは
「御霊もまた同じように、弱いわたしたちを助けて下さる。なぜなら、わたしたちはどう祈ったらよいかわからないが、御霊みずから、言葉にあらわせない切なるうめきをもって、わたしたちのためにとりなして下さるからである」
(ローマ8:26)
の「言葉にあらわせない切なるうめき」の「うめき」と同じ言葉だからです。
イエス様は問題を楽々と次から次へと処理する御方ではないのです。
人への依存から神への依存へと導くため、私たちと苦しみを共にし、うめき、ため息をつきながら、決して離れず共にいて下さるお方なのです。
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私は高校生のスクールカウンセラーをしていて、つくづくこのことを感じさせられます。
カウンセリングの基本は、安易に答を教えないことです。
答を与えるということは、相手に問題解決能力がないということを前提としていますから、その場はそれで良いとしても、また問題が起きた時に、
「先生、どうしたらいいんでしょう。答を下さい」
と、カウンセラーなしでは生きられない人を作ってしまいます。
カウンセラーに依存させてしまうわけです。
本当はその人に問題解決能力がある、あるいはその力を伸ばす可能性があるにもかかわらず、その芽を摘んでしまってはいけません。
ですから、カウンセラーが解決策を持っていたとしても、あえてそれを留め、クライエントの話を聞き、その話を共感して聞くのです。
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この作業は、一言で言えば、相手と苦しみを共にするということです。
一緒に迷うのです。ここに意味があります。
一緒に悩み、一緒に苦しむからこそ、一緒に同じ道を歩むことができ、共感が生まれるのです。
ク:「大変なんです」
カ:「なるほど、そうか」
ク:「先が見えません」
カ:「本当だねえ」
ク:「どうしていいかわかりません」
カ:「いやぁ、辛いよね。迷うよね。どうしていいかわからないよね」
文章にすれば、カウンセラーがクライエントの言うことを他人事として聞き、突き放しているように感じられるかもしれませんが、
「でも、君ならきっと出来ると思うよ」
という思いを込めながら聞かせていただいているのです。
「今すぐ解決できる答は欲しいけど、そうでなくてもいいんだよ。半年後でもいいし、100点満点でなく60点でもいい。あなたなりの答をきっと出せるよ」
という思いを心の中に持ち続けながら、私は高校生の皆さんに寄り添おうとしています。
五里霧中で行くべき道など全く見えない中、恐る恐る一歩踏み出せるのは、このカウンセラーの希望に支えられるからです。
「それだったら僕も生きていけるかな」
「卒業して、私も人生やれそうな気がする」
そのような言葉を発して、高校生の皆さんは自分なりの答を出し、弱々しい足どりながら、最初の一歩を踏み出していかれます。
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神はため息をつき、あなたのためにうめくお方なのです。
この苦しみを共にしてくださる神と共に生きようと決心をすることが、人への依存から神への依存人生の始まりです。
本当の自立の人生はそのようにして始まります。
今日がそのスタートの記念日となりますように…。
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