今日のみ言葉【No.1877】(2018年11月 9日)「 十二弟子の派遣(1)」

また十二弟子を呼び寄せ、ふたりずつつかわすことにして、
(マルコ6:7)

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社会を作る最小構成単位は夫婦です。

そこから家族、地域の共同体、国家という具合に広がっていきますが、基本は二人というペアです。

イエス様が弟子たちを二人組にして世に遣わされたのには深い意味が込められています。

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キリスト教の伝道は儲けのためにやるのではありません。

神から受けた使命感で自発的に行うものです。

ところが、この使命感は案外もろく、崩れやすいのです。

キリストの福音を伝え、人々を救いに導く良いことをしているはずなのに、伝道をすると拒否されることのほうが多いからです。

もし、たった一人で知らない地に遣わされ、語れども語れども誰も信ぜず、かえって迫害されたとしたらどうでしょう?

その人の心が崩れたなら、伝道はそれで終わりです。

しかしイエス様は、

「また十二弟子を呼び寄せ、ふたりずつつかわすことにして」
(マルコ6:7)

とあるように、ペアで伝道に遣わしました。

二人なら、一方が心弱り、神を見上げる力が無くなっても、他の一方がその人を助け励まし、やがて元気を取り戻して再びイエス・キリストの福音を語る力が与えられます。

イエス様は人間の心をよく理解し、深い配慮を持って十二弟子をふたり組にして町々村々へと遣わされたのです。

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アメリカ人の女性宣教師二人が英語を通しての伝道活動に来てくれたことがあります。

A先生が片言の日本語で

「コンドノニチヨウビ、キョウカイニキマセンカ?」

と英語クラスの生徒さんを教会の礼拝にお誘いすると、さすがに英会話を習っているだけあり、

「Thank you(サンキュー)」

という生徒さんからのお返事。

先生はとても喜んでいましたが、日曜日、待てど暮らせどその生徒さんは来ません。

彼女はがっかりしてしまいました。

アメリカでの「Thank you」は「ありがとう。そうします」という同意の意味なのです。

しかし、日本人の言う「ありがとう」には「お気持ちはありがとう。でも行けないかもしれないの。そこら辺、察してね」と暗にお断りの雰囲気を醸し出して言っていることがあります。

「No(ノー)」と言ってしまえば人間関係を傷つけるかもしれないので、それは維持しつつ自分の立場を守る文化的テクニックなのです。

伝道をすると、受け入れてくれる人もいますが、はっきりと断られる場合もありますし、やんわりと避けられることもあります。

A先生はカルチャーショックと共に「あんなにニコニコしているのに、イエス様のことを持ち出すと拒否される」という二重のショックを受けて少し落ち込んでしまいました。

すると一緒にいるB先生が彼女を慰め励ましてくれました。

また逆の場合もあり、A先生がB先生の失意の時に支えとなったこともありました。

これがペアの強みです。

お二人は最初の契約を延長し、長く日本の伝道に携わって下さいました。

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ご夫婦、あるいは信仰の友と共に、祈り合い、励まし合う生活を持って参りましょう。

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※御言葉メールのスケジュールは、
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