今日のみ言葉【No.1477】(2017年 2月17日) 067 「サマリヤの女」(2)
すると、サマリヤの女はイエスに言った、「あなたはユダヤ人でありながら、どうしてサマリヤの女のわたしに、飲ませてくれとおっしゃるのですか」。これは、ユダヤ人はサマリヤ人と交際していなかったからである。
(ヨハネ4:9)
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サマリヤの女の記事は長いので、この個所を理解するにはその背景を知っておく必要があります。
前回は彼女の個人的背景を述べました。
今回は、サマリヤの女が生きていた当時の「時代」とはどんなものであったのかを学んでおきましょう。
これらのことが聖書理解のために大きな助けになります。
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かつてイスラエルはダビデ王の下で国としての栄光を極めましたが、その子ソロモン王の死後、内紛が起こり、北王国と南王国に分裂してしまいます。
世界史を見れば分かる通り、後に北イスラエル王国はアッシリヤ帝国によって滅ぼされます。
その際、北部のイスラエル人を捕囚として連れ去り、代わりに他の征服された民族が連れて来られ、そこに住むことを強制されました。
同じ運命が補囚された北イスラエル人にも起こり、彼らはアッシリヤ帝国の辺境の隅々にまで散らされてしまいます。
これは雑婚政策と言って、民族としての統一性を薄め、帝国の統治に反乱する力を衰弱させるためのものです。
他の地域から入って来た人々と、残留したイスラエル人との間に生まれたのがサマリヤ人です。
彼らの宗教は、移住民族の偶像礼拝と混合した形となっていきます。
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一方、南ユダ王国もその後バビロニア帝国によって滅ぼされ、バビロン補囚の憂き目に遭います。
しかし彼らは、イスラエルの伝統を失うことなく、民族としての統一性を守りぬきました。
やがてバビロニアはペルシャに滅ぼされ、クロス王の勅令によって補囚の民はエルサレムに帰還し、神殿を再建しました。
つまり、モーセの律法を守りぬき、信仰を貫き通した人々がイエス様の時代のユダヤ人だったのです。
当然彼らがサマリヤ人を見る視線は、「上から目線」となるでしょう。
むしろ、サマリヤ人をさげすんでいたと言う方が当たっています。
ユダヤ民族が、隣りの地域で、かつ、先祖とのつながりのある人々に対して、
「ユダヤ人はサマリヤ人と交際していなかった」
(ヨハネ4:9)
とあるほど徹底して彼らと交際しなかった背景には、このような歴史があったのです。
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サマリヤの女が
「あなたはユダヤ人でありながら、どうしてサマリヤの女のわたしに、飲ませてくれとおっしゃるのですか」
(ヨハネ4:9)
と驚いたのには、このような理由がありました。
誰もいないと思っていた所に見知らぬ男性がいて、その人はユダヤ人の顔つき。
絶対に言葉などかけてこないはずの状況なのに、
「水を飲ませて下さい」
(ヨハネ4:7)
自分のほうから謙遜に頼んでくる…。
何もかもがサマリヤの女を戸惑わせました。
このような時に出てくる反応は、「警戒」です。
彼女がこの後繰り出す言葉の端々に、相手をはねつける言い方が見られます。
生ける水を与えようとされるイエス様を敬遠し、拒否しようとします。
「そんなうまい話があるものか」
これは私たちの姿でもあります。
この女にイエス様はどのように語り続けられたのか。
それは次回に譲ります。
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イエス・キリストは声をかけたら、語り続ける御方です。
この方の愛に信頼を置き、今日の一日を安心して過ごして参りましょう。
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