今日のみ言葉【No.1438】(2016年12月16日) 053 「総督ピラト」(2)
さて、イエスは総督の前に立たれた。すると総督はイエスに尋ねて言った、「あなたがユダヤ人の王であるか」。イエスは「そのとおりである」と言われた。
(マタイ27:11)
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有能な官吏ピラトは、イエス様と会った瞬間に、「この人は無罪」と直感したと思われます。
それは彼の最初の問いである
「あなたがユダヤ人の王であるか」
(マタイ27:11)
に表されています。
原文のギリシャ語では「あなたが」という部分が強調されています。
「え、お前が?あなた本当にユダヤ人の王?」
という感じなのです。
それはそうでしょう。前夜からの尋問という形での拷問によって、殴られ叩かれ、ひげはむしり取られ、散々な様相でいるこの男が、自分を王としてローマに反逆しようとする極悪人だとは思えなかったのです。
イエス様は、ピラトの半ば嘲笑的な問いに、「そのとおりである」と答えられました。
これは大祭司カヤパに対して答えたのと同じように「あなたはそう言っている」という語です。
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ピラトは早々とこの件を解決したくて、イエス様に申し開きをするように求めました。
「あんなにまで次々に、あなたに不利な証言を立てているのが、あなたには聞えないのか」
(マタイ27:13)
それに対するイエス様の態度は、待ってました、ここで反論して我が身の無実潔白を証明してやろう、というものではなく、
「しかし、総督が非常に不思議に思ったほどに、イエスは何を言われても、ひと言もお答えにならなかった。」
(マタイ27:14)
というものでした。
祭司長たちの訴えに対して、何も申し開きをしないイエス様を見て、ピラトはこの人は普通の罪人ではないことを感じます。
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ピラトは罪人として訴えられているイエス様を赦そうとしました。
しかしそれは無罪を確信しての判断ではなく、いい加減、この案件にけりをつけたかったからです。
朝早く、夜明けにたたき起こされ、どんな重大事かと思えば、なんだユダヤ人同士の些細な揉め事ではないか、というのがピラトの偽らざる本心だったことでしょう。
総督としてピラトにはイエス様を無罪にも有罪にもできる強大な権限があります。
無罪放免にして、ユダヤ人たちとイエスという男に起こった問題を片付け、平穏安泰な日々を持とうとする「ことなかれ主義ピラト」の顔が見えます。
しかし、彼とイエス様との関わりは切れませんでした。
縁を切ろうとしても切れずに、事態はどんどんピラトの意図した方向とは違う方向に向かっていきます。
ピラトは神の御手の上でお取り扱いを受けていたのです。
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神との関わりを切ろうとしても、神は再び関わりを持とうとされます。
生きている限り、何度でも神は出会いと悔い改めのチャンスを与えて下さいます。
その愛を信じ、正しい方向へ軌道修正する一日として参りましょう。
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