今日のみ言葉【No.560】(2013年 5月 2日)

イスラエルの人々が、それを聞くとひとしく、イスラエルの人々の全会衆はシロに集まって、彼らの所に攻め上ろうとした。
(ヨシュア記22:12)

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熱心はしばしば行き過ぎを招きます。

「健康のためなら死んでもいい!」

というフレーズはその辺を皮肉ったパロディー的言葉でしょう。

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今日の聖句でイスラエルの民は早まったことをしようとしました。

ヨルダン川東岸に移り住む部族が、川辺に祭壇を築いたのを見て、彼らは主なる神以外の神を崇拝していると誤解し、

「彼らの所に攻め上ろう」

としたのです。

イスラエルの他の部族がなぜそこまで熱くなったのかは、20節の

「ゼラの子アカンは、のろわれた物について、とがを犯し、それがためイスラエルの全会衆に、怒りが臨んだではないか。またその罪によって滅びた者は、彼ひとりではなかった」

という個所からうかがい知れます。

アカン一人の罪がイスラエル全体に降りかかったことを彼らは痛いほど覚えていたからです。

同じ過ちは二度と繰り返さない、という強い思いが彼らを行動に駆り立てたのです。

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川を隔てて住む部族たちが祭壇を建てたのは、将来、自分たちはイスラエルの民ではないと言われないように、というためでした。

情報が錯綜し、「自分が正しい」と疑わない人々が対面し、一触即発しかねない緊急事態にどう対処したらよいのでしょう?

「イスラエルの各部族のうちから、父祖の家のつかさ、ひとりずつをあげて、合わせて十人のつかさたちを、彼と共に行かせた。」
(ヨシュア記22:14)

とあるように、イスラエルの人々は代表となる調査団を派遣しました。

真実は何か、実際はどうなのか、を知るためです。

そしてそのために、お互いがお互いのことを十分主張しました。

その結果、理解が得られ、イスラエル分裂の危機をはらんだこの事件は、逆に部族を一致させ、イスラエルの団結と一体感を強める機会となったのです。

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私たちが人や家族に対して怒りを覚える時も同じです。

「なぜあの人はこんなことをするんだ!」

「あんな言い方はない!」

と憤慨し、怒りを覚え、

「いつかやっつけてやろう」

と復讐心さえ芽生える時は、調査団の派遣が必要な時です。

その際の調査のポイントは、

「なぜこの人はこんなことをするんだろう?」

「なぜこの子は何度言われても繰り返すのだろう?」

という質問です。

こちら側からは理解しがたく、常識外れの行動にしか見えません。

しかし、どんな行動にも必ず理由があるのです。

その理由を探し求め、問題行動と見える背後の理由が分かると、

「なるほど、そうだったのか。それならこう思うのももっともだな。」

と、「共感」が芽生えるのです。

人間関係の修復は、まず相手を知ることから始まり、共感することで一挙に変化していきます。

神はこのようにして、最悪の分裂に向かう危機を、最高の人間関係を築く機会として下さいます。

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早合点の前に、まず相手を知ることです。

あなたが感じる

「もう終わり…」

は、神のスケジュール帳では

「新たな始まり」

と書かれてあります。

現実を知り、そこに神が隠されている宝を見出す毎日を積み上げて参りましょう。