今日のみ言葉【No.1260】(2016年 4月 6日)

しかし、わたしは主によって楽しみ、わが救の神によって喜ぶ。
(ハバクク3:18)

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今日の聖句は希望にあふれた個所です。

しかしその直前には、全く希望のない状況が描かれています。

「いちじくの木は花咲かず、ぶどうの木は実らず、オリブの木の産はむなしくなり、」
(ハバクク3:17)

いちじくは見た目には花が見えませんが、実の中に花が咲き、年2回実を結ぶ植物です。

そのいちじくの花が咲かないということは、実もならないということです。

これは相当おかしなことで、終末時の異常な状態を暗示しています。

ぶどうは実を結ばせるのに手のかかる植物ですから、実がなるということは世の中が平和でなければなりません。

ぶどうの木が実らないということは、争いに明け暮れる毎日が続いていることを示しています。

オリブは生命力が強く、他の植物が育たない荒れ地でも実を結びます。

オリブは滅亡・絶滅の危機を何度も乗り越えてきたユダヤ人を暗示し、彼らの命が本当に危うい状況になっていることを意味しています。

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このような絶望的状況から、一転して、

「しかし、わたしは主によって楽しみ、わが救の神によって喜ぶ。」
(ハバクク3:18)

と、急に黒雲が晴れて太陽が青空に輝いている状況に変わります。

絶望の直後に喜びが変わった秘訣は何でしょうか?

それは

「主によって」

という言葉です。

自分の力では花も咲かず実も結ばない状況に変わりはないが、救いの神が自分の心を一挙に喜びに満たしてくださるのです。

新約聖書ではパウロが同じような体験をしています。

彼はキリストを信じた後でも自分の肉の体が罪を犯す性質から離れられないことに絶望します。

「わたしは、なんというみじめな人間なのだろう。だれが、この死のからだから、わたしを救ってくれるだろうか。」
(ローマ7:24)

しかしその直後に、「主によって」という完全な解決が与えられ、一転して感謝の祈りを捧げています。

「わたしたちの主イエス・キリストによって、神は感謝すべきかな。」
(ローマ7:25)

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理論派の方々にとっては、ここが納得の行かないところです。

階段を一段々々登って行ったら、一直線に喜びと楽しみの人生に到達できるのかというと、そうでもないことを聖書は示しているからです。

登っていく階段のある地点で、踏み込むはずの段がなくなり、2〜3段向こう側の場所に続いているからです。

何もない空間を、ポーンと飛び越えなければなりません。

しかしそれは無理です。私たちの力で飛べる距離ではないのです。

私たちができることは、何も無いように見えるところに神の永遠の御手があることを信じて、一歩踏み出すことです。

すると、

「グラリ」

とバランスを失い、「きっと見えないだけの透明な踏み段があるはず…」と思っていた場所には本当に何もなかった、ということに気づきます。

もう後の祭りです。

しかし、「計算が狂った!」とパニックに陥ったその直後に、神の永遠の御手の存在を味わいます。

そして、気がつけばあの「2〜3段向こう側の場所」を通り越している自分を発見します。

ここは理論でも論理でもなく、信じて飛び込み、体験して確かだと悟る世界です。

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Y兄は戦争を体験し、敗戦の後の混乱期、人の命を救いたいと医学部に入りました。

3年生になり、もうしばらくしたら医師として世に出られると見え始めた頃、父親が亡くなり、学資が続かなくなり、医師への道が閉ざされてしまいました。

良いことを志しても、それがかなわなかったのです。

Y兄はその他様々な矛盾を味わわれましたが、結婚もその一つでした。

自分の家は先祖代々の寺を守るとりまとめ役です。しかし見合いの相手はクリスチャンの女性でした。

そのまま結婚となり、価値観の相違は当然のこととしてご夫妻は普通に生活を続けていかれました。

もちろんその間、「夫を導いて下さい」という奥様の祈りがあったことは言うまでもありません。

大病をしたことのなかったY兄は、退職後、大きな手術をすることになりました。

そこで彼の心は大きく変わりました。

祈りと聖書のみ言葉によって平安を得、結婚50年後にして洗礼を受けられたのです。

その心の変化の過程はご自分でも解明できません。

ただ、奥様の忍耐強い祈りを神が聞き届けられたという他ありません。

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神の御手がそこにあるのだと信じて、今日もあなたの信仰の一歩を踏み出して参りましょう。

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