今日のみ言葉【No.3258】(2024年 1月11日)「デナ・ハモルの事件(4)」
しかし、ヤコブの子らはシケムが彼らの妹デナを汚したので、シケムとその父ハモルに偽って答え、
(創世記34:13)
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「目には目を、歯には歯を」は復讐を勧める言葉ではありません。
これは古代バビロニア王国のハムラビ法典にある言葉で、
「目をやられたら目だけにしておきなさい。歯をやられたら相手の歯をやるだけにしておきなさい」
と、被害に相応した報復または制裁だけに止めよという「同害報復」の考え方です。
このような取り決めをしておかないと、人間は怒りにまかせて、
「歯をやられたら仕返しに歯だけでなく、相手の目も鼻も、そして命さえも!」
とヒートアップし、釣り合いの取れない、やり過ぎの方向に走るものだからです。
ヤコブの子たちは残念ながら過剰報復の方に走りました。
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13節以下はひどい内容なので読者の皆さんはご自分の目で読んで内容を確かめて下さい。
かいつまんで言うと、
「しかし、ヤコブの子らはシケムが彼らの妹デナを汚したので、シケムとその父ハモルに偽って答え」
(創世記34:13)
とあるように、「妹をレイプした相手に非がある」ということを根拠に、彼らに制裁を加えに行きます。
そのためには嘘をついて相手を欺くことも厭いません。
シケムとハモルだけでなく、その町の男全員に割礼を施すことに成功したヤコブの子らは、3日目の一番痛みが出て抵抗ができない時に彼らを襲い、殺害し、その妻や娘、財産を略奪します。
彼らは自分たちの行動を正当化しています。
特にシメオンとレビは最後までこの立場を崩しません。
「わたしたちの妹を遊女のように彼が扱ってよいのですか」
(創世記34:31)
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なぜ神が彼らの行動を事前に止めなかったのかはわかりません。
神は彼らの考えや行動に制限をかけず、各々の判断に任せ、その結果を刈り取らせるということだけはわかります。
ヤコブの子らは、割礼という、神とアブラハムとの間の契約を思い起こさせる聖なるものを、自分たちの欲望を満たすための道具として用いました。
神からの祝福や特権を、本来の目的から逸れた使い方をする時、それは我が身に呪いを招くのです。
ヤコブたちは、今度は自分たちが虐殺されるかもしれないという恐怖を味わい続けることになりました(30節)。
また、ヤコブの臨終の際の預言で、シメオンとレビに対しては、
「彼らの怒りは、激しいゆえにのろわれ、彼らの憤りは、はなはだしいゆえにのろわれる。わたしは彼らをヤコブのうちに分け、イスラエルのうちに散らそう」
(創世記49:7)
と言われ、彼らは後にイスラエルに土地を受け継ぐことはできなくなりました。
神の祝福は悪用も誤用もできます。
慎重に、熟慮して用いさせていただくという謙虚さ・思慮深さが必要です。
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先人の痛い思いから学び、現在の私たちの信仰生活の糧として生かして参りましょう。
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