今日のみ言葉【No.2852】(2022年 7月12日)「悪霊につかれたゲラサ人(6)」
「家へ帰って、神があなたにどんなに大きなことをしてくださったか、語り聞かせなさい」。そこで彼は立ち去って、自分にイエスがして下さったことを、ことごとく町中に言いひろめた。
(ルカ8:39)
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私はかつてこの御言葉を読んで、とてもがっかりしたことを覚えています。
家へ帰って親兄弟に伝道することなど、とても無理だと感じていたのに、その嫌なことをやれと神は私に示しているのだ、と読み取ったからです。
今振り返ると、誤った聖書解釈をしたものだと思いますが、その当時は、
「示されてしまったのだから、神の御心はそれしかない」
と思い込んでいました。
文脈を無視して、私のようにこの箇所だけ単独で、しかも自分の知識と経験だけで考えると、恵みの言葉が恵みでなくなることがあります。
ここでのイエス様の真意とは何なのでしょうか?
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悪霊が追い出され、正気に返ったこのゲラサ人は、
「お供をしたいと、しきりに願った」
(ルカ8:38)
とあります。
それはそうでしょう。
自分の人生が全く変えられたのですから、新たな希望の道へ、感謝を持って進んでいきたいと思うのは自然ですし、この人生をこの御方のために生きていきたいと願うのも理解できます。
ところが、イエス様はこの申し出を断ります。
「家へ帰って、神があなたにどんなに大きなことをしてくださったか、語り聞かせなさい」
(ルカ8:39)
と言って、彼をお帰しになられたのです。
私たちの教会の聖書研究会で、イエス様はなぜそう言われたのかディスカッションをしたことがあります。
皆さんの答えは、
「弟子となるには能力不足と見抜かれたのではないか」
という現実的答えであったり、
「やっぱり御心ではなかったのではないか」
という漠然としたものであったり、様々でした。
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では、正解は何でしょうか?
正解は、
「彼が異邦人であったから」
です。
聖書研究会に出席していた皆さんにとって、これは意外な答えだったらしく、一様に驚いておられました。
説明しましょう。
イエス様は神の時を守られる御方です。
異邦人の救いが始まるのは、イエス様の復活後、聖霊が降臨してからです。
それまではユダヤ人の救いの時代が続きますから、ペテロやヤコブ等のユダヤ人の弟子を取り、彼らを訓練しておられますが、異邦人の弟子を取るのはまだ時期尚早だったのです。
それで、イエス様はこのゲラサ人の申し出をお断りになられたのです。
これがこの部分の正しい聖書解釈です。
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さて、この人はイエス様に言われたとおり、家に帰って伝道したでしょうか?
それとも、自分の思いが通らず、断られたので、腐ってしまって腹を立て、何もしなかったでしょうか?
彼は間違いなくイエス様の言葉通りにしました。
その結果が、4000人の給食の奇跡です。
この奇跡は、デカポリスというガリラヤ湖東岸にある異邦人が住む地方で起きました。
ゲラサはこの地域にあります。
ギリシャ文化の影響が強いはずの異邦人たちが、ユダヤ人であるイエス様の話を聞きに集まったということは、事前にイエス様の話を宣伝し、伝道していた人がいて、その人の話は真実であると人々が信じることができたからに違いありません。
4000人もの成人男性を集めることができるほど影響力があった人とは誰でしょう?
そうです、かの悪霊につかれていたゲラサ人です。
彼は
「家へ帰って、神があなたにどんなに大きなことをしてくださったか、語り聞かせなさい」
(ルカ8:39)
というイエス様の言葉に忠実に従い、
「そこで彼は立ち去って、自分にイエスがして下さったことを、ことごとく町中に言いひろめた」
(ルカ8:39)
とあるように、実行したのです。
彼の弟子となりたいという願いは退けられましたが、彼は神の恵みの土台となり、彼の願いを遙かに超えた祝福を他者に与え、自分にも与えられたのです。
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自分の願いが退けられ、どんなに願ってもかなえられないで終わる時があります。
しかし、その神の処遇に従い、御心を生きる者に対して、人間の想像を遙かに超えた祝福を神は用意しておられるのです。
今あなたが与えられた立場で、精一杯、神の御心を果たす今日として参りましょう。
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