今日のみ言葉【No.2636】(2021年 9月24日)「右手のなえた人(2)」

そこでイエスは彼らにむかって言われた、「あなたがたに聞くが、安息日に善を行うのと悪を行うのと、命を救うのと殺すのと、どちらがよいか」。
(ルカ6:9)

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年を取ると頑固になると言われますが、逆に丸くなる人もいます。

その違いは何でしょう?

年を取ると経験が増えるので、どうしても自分より経験の浅い人の言うことには素直に従えなくなります。

自分の方が深く正しく物が見えていると思えば、相手に譲ることは困難です。

一方、年を取ると「負(ふ)の経験」も積み重なります。

同級生が亡くなった、病気をした、事故に遭った等々のことです。

すると、たとえ不快なことが起こっても、すぐには反応せず、むしろ、

「何かあったのではないか」

と、その背景を考えられるようになり、落ち着いて対処できるようになるのです。

さて、パリサイ人たちはどちらだったのでしょうか。

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もしパリサイ人たちに、どんなことからでも学ぼうとする思いがあったなら、右手のなえた人の癒やしを行うイエス様を見て、

「なるほど、安息日には何もしてはならないと思っていたが、こういうこともあるのだなあ」

という考えの変化が起きたはずです。

しかし、彼らは

「イエスを訴える口実を見付けようと思って」
(ルカ6:7)

いたのですから、自分たちが正しいという前提は決して崩れません。

このような人たちにとって、自分と違う考えの人は常に「おかしい」のであって、相手を否定する考えしか出てきません。

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ここでイエス様の痛烈な言葉が発せられます。

「あなたがたに聞くが、安息日に善を行うのと悪を行うのと、命を救うのと殺すのと、どちらがよいか」
(ルカ6:9)

あなたはどちらだと思いますか?

もちろん、答は明らかです。

パリサイ人は答えず、無言に徹します。

答えたら負けだからです。

もし、うっかり

「そりゃあ、善を行い、命を救う方が良いに決まっていますよ」

などと言ってしまえば、その瞬間に、

「安息日の癒やしを否定している自分たちは、善を行わず、命を救う生き方をしていない。だから自分たちの方が間違っている」

と証明することになるからです。

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彼らの沈黙の反抗に対して、珍しくもイエス様は怒りを表されたことがマルコ福音書に描かれています。

「彼らは黙っていた。イエスは怒りを含んで彼らを見まわし、その心のかたくななのを嘆いて]
(マルコ3:4-5)

この時、この場では、相当な緊張関係があったことでしょう。

ルカはこの後、

「そこで彼らは激しく怒って、イエスをどうかしてやろうと、互に話合いをはじめた」
(ルカ6:11)

と書いていますが、マルコはもっと激しい感情がパリサイ人たちに起こったと記しています。

「パリサイ人たちは出て行って、すぐにヘロデ党の者たちと、なんとかしてイエスを殺そうと相談しはじめた」
(マルコ3:6)

人を信頼しない心は、自分のみが正しいというかたくなな心となり、誤った方向に突き進むと、殺意にまで至るのです。

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頑固になるか、丸くなるか。

それは負の経験をどのように受け止めるかが鍵となります。

イエス・キリストの言葉に学び、今日も新しい思いで一日をスタートして参りましょう。

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