今日のみ言葉【No.2173】(2020年 1月11日)「賛美と決心」
わたしは主なる神の大能のみわざを携えゆき、ただあなたの義のみを、ほめたたえるでしょう。
(詩篇71:16)
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「老人は過去を語り、若者は未来を語る」
と言われます。
若者が集まると、
「今度どこ行く?何しよう?」
と話が盛り上がる情景が浮かびますが、お年寄りの集まりではそのたぐいの話よりは
「昔は良かった。あの時はこうだった」
という話になります。
それは悪いことではなく、高齢になった時に誰でも感ずる孤独感を和らげる方法なのです。
過去を振り返り、思い出を他者と分かち合う時、人は喜びと幸福感を感じ、脳の前頭前野の血流が増加することがわかっています。
ですから、高齢者の昔話の語り合いは無駄なことではなく、脳を活性化させて、自然に認知症の進行予防をしていたというわけです。
詩篇第71篇は、一つの時代を生き終え、過去の人生を振り返った人の神への賛美と決心が記されています。
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日本語で「~でしょう」というと少し曖昧な感じを持たせますが、英語訳では「I will」と書いてありますから、ここは明白な意志を表しています。
ですから、「ほめたたえるでしょう」は「ほめたたえていきます。誓います」とするほうが原文に沿った訳になります。
ではこの詩篇の記者の人生は神を賛美できるようなことばかり、良いことばかりが起きた人生だったのでしょうか?
それは冒頭から読んでいけばわかります。
彼の人生には次々と苦難が押し寄せ、神に助けの叫びを上げています。
「わが神よ、悪しき者の手からわたしを救い、不義、残忍な人の支配から、わたしを救い出してください」
(詩篇71:4)
恨みつらみが出てもおかしくない人生を送らされた彼でしたが、彼の目は神の救いの方を見ます。
「わたしの口はひねもすあなたの義と、あなたの救とを語るでしょう。わたしはその数を知らないからです」
(詩篇71:15)
これは人生の選択です。
否定的面が山ほどあれば、肯定的面も山ほどあります。
彼は
「大変な思いをさせられた」
という方を数えず、
「あの大変なところから神は何度も救い出して下さった」
という方を数える選択をしたのです。
可能思考で有名なアメリカのロバート・シュラー牧師はこれを
「人生とは不公平なものだ。しかし、神は良い御方だ」
“Life’s not fair, but God is good."
と言っています。
人生の不条理や否定的面に目をつぶるのではなく、それを善に変えられる神を賛美する方向に人生の舵取りをするということです。
そこに命ある人生の道が開かれているのです。
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そのシュラー師の娘さんのシーラさんの話です。
彼女は中学生の時に医者になる夢を持ち、決して揺らぐことなくその夢の実現に邁進し、医学部に入るのに最も適した学校に進学しました。
ところが、医学部受験は不合格という結果になりました。
彼女はこの事実を「人生に起こりうる現実(fact of life)」として受け入れ、「神の出来事(act of God)」としては考えませんでした。
シーラさんは神は自分の心の本当の願いを実現して下さる良い御方だと信頼する選択をしたのです。
「主によって喜びをなせ。主はあなたの心の願いをかなえられる」
(詩篇37:4)
それから20年が経ち、4人のお子さんの母親となった彼女は、公立の学校で教えられる教師の資格を取得しました。
彼女はこれにより、教育を通して若者の心に触れ、いわば彼らのメンタルヘルスの「医師」として働くことが出来るようになったのです。
彼女はこう言います。
「お父さん、これが私が本当にやりたかったことなんだとわかったの。私が最初に医者になろうと夢見た時の姿がこのことだったのよ」
たしかに人生には「なぜ?」と思うことが起きます。
しかし、人生には不公平なことが起きるけれども神は良い御方だと信ずる信仰を持ち続け、悪を善に変えられる神の御業を数え、神を賛美していく時、私たちの心の中の本当の願いが神の御心に沿った形で実現に至るのです。
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神の救いを選択する今日として参りましょう。
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