今日のみ言葉【No.2039】(2019年 6月24日)「聖書の読み方(13)」

2019年6月24日

どうかあなたは、わたしの妹だと言ってください。そうすればわたしはあなたのおかげで無事であり、わたしの命はあなたによって助かるでしょう
(創世記12:13)

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聖書の読み方シリーズはあと3回で終了します。

そのまとめとして、今日は「正直に読む」という読み方をお話します。

正直に読むとは、聖書に書かれてある通りをありのまま読むことですが、特に、

「道徳評価を下さないでそのまま読む」

ということです。

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イエス・キリストは完全ですが、その他の聖書の登場人物は皆不完全です。

聖書ではそれがそのまま書かれてあります。

弟子のペテロがキリストを3度否認した件、アブラハムが妻サラを妹と偽ったこと、ダビデとバテシバの姦淫、預言者エリヤが命を狙われてうつ状態になったこと…。

通常、私たちは

「ああ、これではダメなんだなあ」

「こういう生き方は神の御心ではないから、やっちゃいけないんだ」

というふうに読みます。

それで最初はOKです。

しかし、もう一歩も二歩も深い読み方をしたい人は、このような箇所で道徳的判断をしないで、それがそのまま起こったのだと受け入れて読むと良いのです。

そうすると、そのような弱い人間が神に用いられるという後半のストーリーに目が開かれるからです。

また、それはあなた自身のためでもあります。

聖書の正直な読み方を知っていると、試練の中で負けてしまった不甲斐ない自分であるからこそ神は用いてくださるという強い希望が生まれてくるのです。

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アブラハムの例を見てみましょう。

彼は創世記第12章の冒頭で、神様から無条件の祝福の約束をいただきました。

「わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう」
(創世記12:2)

ところが、まだまだこの約束が彼の心にも体にも染み渡っていなかったのでしょう、飢饉に遭い、エジプトに移った同じ12章の後半で彼は重大な過ちをしでかしました。

「わたしはあなたが美しい女であるのを知っています。それでエジプトびとがあなたを見る時、これは彼の妻であると言ってわたしを殺し、あなたを生かしておくでしょう」
(創世記12:11-12)

彼は神に信頼すべきところを、人を恐れて人間の計略という知恵に頼りました。

「どうかあなたは、わたしの妹だと言ってください。そうすればわたしはあなたのおかげで無事であり、わたしの命はあなたによって助かるでしょう」
(創世記12:13)

現在の安全地点から聖書を読む私たちからすれば、

「浅い思慮だなあ。猿知恵だ」

と批判的に見ることができるでしょう。

しかし、法整備など整っていない荒々しい古代世界を生きるアブラハムにとっては命がけのことだったのです。

模範解答は、神を信頼して嘘をつかず、堂々と真実を述べることです。

しかし、彼にはそれができなかったのです。

彼はその後神の助けによって救われますが、聖書にはさらにもう一回、彼が妻を妹だと偽ったという記事が出てきます。

「一度ならず二度までも…。性懲りもなく…」

という道徳的判断はやめることです。

目を止めるべき点は、神がこのアブラハムを選び、ご自分が結ばれた契約を果たそうとして、あきらめることなく彼をお用いになられたことです。

ここに私たちの希望があるのです。

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聖書を正直に、ありのままを、深く読む今日として参りましょう。

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