今日のみ言葉【No.1959】(2019年 3月 9日)「人生を支える宝」

2019年3月9日

「剣客商売」明治座公演より

主の恵みふかきことを味わい知れ、主に寄り頼む人はさいわいである。
(詩篇34:8)

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池波正太郎の時代劇小説『剣客商売』(新潮社)に「嘘の皮」という一篇があります。

香具師の元締(現代ならヤクザの親分)の娘・お照と旗本の村松伊織が恋仲になり、お決まりのいざこざが起きます。江戸時代の身分制度では住む世界が違うのです。

主人公の秋山小兵衛は元締の方に「必ず二人を夫婦にさせるから稼業をやめよ。娘はみごもっておるぞ」と言い、旗本の親には「二人は別れさせた」と言い、「息子の嫁はわしが見つける」という条件付きで事をおさめます。

この段階では真っ赤な嘘です。

さて、小兵衛は密かに娘を田沼意次の用人の養女として入れ、旗本の妻女となるにふさわしい仕付けをさせるのです。

「二年ほどしたら、いまを時めく田沼老中の御用人・生島次郎太夫の養女として、お照を村松家へ嫁がせる。だれにも文句はあるまい。どうじゃな」

「伊織とお照が、よいというのじゃから、それでよいわさ。真偽は紙一重。嘘の皮をかぶって真をつらぬけば、それでよいことよ」

これは池波氏でなければ書けないセリフです。

また現実では、嘘の皮をかぶって真を貫き通せないから小説の題材となるわけです。

聖書ではダビデがそのことを身にしみて体験し、それが詩篇第34篇に表れています。

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今日の聖句は、ただ単に神様は恵み深くて良いお方だから信頼しましょう、という浅いとらえ方をしてはならない箇所です。

冒頭の第1節にこのような断り書きがわざわざしてあります。

「ダビデがアビメレクの前で狂ったさまをよそおい、追われて出ていったときの歌」
(詩篇34:1)

この背景に、サムエル記上21:10-15の出来事があります。

ダビデはサウル王の追及を恐れて、ガテの王アキシのところへ逃げて行きますが、自分の正体を見破られそうになります。

彼はアキシを非常に恐れたので、

「人々の前で、わざと挙動を変え、捕えられて気が変になったふりをし、門のとびらを打ちたたき、よだれを流して、ひげに伝わらせた」
(サムエル記上21:13)

という演技をして周りを騙そうとしました。

これはダビデの失敗です。

人を恐れず、神を恐れること。

これが正解だったのですが、その時のダビデは追い詰められ、人への恐怖に心が占領されていたのです。

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しかし人は失敗を通して大切な教訓を学びます。

何も演技をして隠す必要はなかった。神の前に全てをオープンにして、神を信頼して行動し、その結果を大胆に受け入れればよかったのだ、と彼は学ぶのです。

ですから、

「主の恵みふかきことを味わい知れ、主に寄り頼む人はさいわいである」
(詩篇34:8)

という今日の聖句は、そのようなダビデの経験に裏打ちされた底の深い言葉なのです。

ただし、これは何でもあからさまにプライベートなことも公開せよということではありません。

また、神の前に真実を明らかにしたからと言って苦難が襲ってこないという保証はありません。

真を貫き通したゆえの苦難というものは確かに存在します。

しかし、それと同時に、

「私は神に従ったのだ。後は神様が導いて下さり、最善の結果となるのだ」

という平安が支配する時間がその後ずっと続くことだけは確かです。

嘘がいつバレるかという不安と付き合い続ける人生を選ぶか、あるいは、

「人知ではとうてい測り知ることのできない神の平安が、あなたがたの心と思いとを、キリスト・イエスにあって守るであろう」
(ピリピ4:7)

という時間を過ごすか。

人生には突然その分かれ道がやってきます。

その時、瞬間的に正しい判断と決断ができますように…。

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過去の失敗と思える体験を、これからの人生を支える宝へと変える今日として参りましょう。

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