今日のみ言葉【No.1893】(2018年12月 3日)「 聖化(3)」

2018年12月17日

この御旨に基きただ一度イエス・キリストのからだがささげられたことによって、わたしたちはきよめられたのである。
(ヘブル10:10)

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サグラダ・ファミリアといえば、スペインのバルセロナにある世界遺産にも指定されている教会です。

1882年に工事が始まりましたが、まだ未完成で、設計者のアントニ・ガウディの没後100年となる2026年完成を目指しているのですから、気の長い話です。

しかも、バルセロナ市から建築許可を得ないまま、ようやく今年合意に至り、正式な建物として認可されると言います。

クリスチャンはサグラダ・ファミリア教会のようなものです。

素晴らしい神の作品であることは設計書から見て間違いありませんし、こちらは神様から正式認可を受けているので堂々と胸を張って礼拝に来ることができます。

しかし、まだ中身が伴っていません。まだまだ完成途上なのです。

工事現場にあるような

「只今工事中です。ご迷惑をお掛けしています」

という見えないプラカードをさげて歩いているのがクリスチャンなのです。

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クリスチャンは神の聖徒だと保証されています。

パウロは問題山積で世の人のレベルと比べても劣るコリント教会へ宛てた手紙の冒頭で

「キリスト・イエスにあってきよめられ、聖徒として召されたかたがたへ」
(第1コリント1:1)

と書いています。

これはお世辞やおべんちゃらで相手の機嫌を良くし、機を見はからってこちらの要求を飲んでもらおうとする策略ではありません。

どう見てもこんな人が神の聖徒であるはずがない、という人も、神の前では聖徒です。

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聖化には二面性があり、位置的聖化と漸進的聖化があるのです。

位置的聖化とは神の御前で立場が変わるということです。

それはその人の中身が「聖なる人」と呼ばれるにふさわしいものとなったので、正式に立場を変更しましょうということではありません。

たとえば、20歳になれば誰でも成人として取り扱われ、社会的責任が問われるようになります。

その人の考え方や行動がまだ未熟であったとしても大人とみなされます。

また、どんなに体力を維持していても、75歳になれば「後期高齢者」の通知が来ます。

そうすると自分の状態や努力に関わらず、社会的待遇の変化が押し寄せてきて、特に自動車の運転の条件が厳しくなります。

このように、自分の意識や行動とは関係なく、イエス・キリストを罪からの救い主と受け入れた瞬間に、神の前では全く無罪となり、罪人から神の子へとガラッと立場が変わるのです。

ですから、

「まだまだ自分の中には不純な思いがあるなあ。聖なることをしたいという思いはあるが、それはちょっぴりで、本当は欲でいっぱいだ。神に喜ばれる行動も乏しいなあ」

「教会では手を合わせてお祈りの姿勢をとるが、レストランでは人にわからないようにササっと食前の感謝の祈りを済ませて、家で祈る時は横になって寝ながらだものなあ」

というのが実態であったとしても、あなたは聖徒なのです。

キリストを救い主と信じ、心に受け入れると、その瞬間にその人は「きよめられた者」「聖徒」と呼ばれ、行いに関係なく「きよめられている」者とみなされるのです。

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先に「只今工事中です。ご迷惑をお掛けしています」という見えないプラカードをさげて歩いているのがクリスチャンだと述べましたが、未完成の工事中の人たちが集まっているところが教会なのだと言えます。

正式認可を受けた素晴らしい建物というのでそれを期待して行ったら、ガンガン騒音が鳴る工事現場だったというのが教会の現実です。

ですから、お互いそれを知り、ゆるし合うことが必要です。

私たちの教会では洗礼を受ける時に、

「教会にはいろんな人がいます。あなたと価値観が違う人もいるでしょう。その人のために祈るこそすれ、裁かないことをお約束できますか?」

と尋ねて、裁かないと約束できた人が教会員となられます。

見ていると、自分も工事中の身であることを忘れ、人を裁き出す人がいます。

そういう方はご自分から教会を去られるようです。

私たちはその人を裁かず、「いつか自分が工事中であることを思い起こしてくださるように」と祈るのみです。

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キリストを信じる者は罪赦され、神の子と見られているという恵みを心に留め、今日も完成に向かって歩んで参りましょう。

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