今日のみ言葉【No.1676】(2017年12月27日)「 痛みから生まれる豊かさ」

さて、散らされて行った人たちは、御言を宣べ伝えながら、めぐり歩いた。
(使徒8:4)

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アメリカのロサンゼルスで生活を始めた時、意外に思ったのは、人々から

「あなたは何をしに来たのか?」

という質問を繰り返し受けたことです。

私の中では「伝道と勉強のため」とはっきりしているのですが、そこに住んでいる人たちから見れば私は「得体の知れない外国人」ですから当然です。

迫害で散らされていった初代クリスチャンたちも同じだったことでしょう。

「あなたは何をしに来たのか?」という問いに対して、彼らは自然に伝道することができたのです。

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エルサレムでの大迫害を逃れた人々は、各地でひっそりと隠れて生活していたかというとそうではありません。

「散らされて行った人たちは、御言を宣べ伝えながら、めぐり歩いた」
(使徒8:4)

とあるように、何事もなかったかのようにイエス・キリストの福音を宣べ伝えました。

考えてみれば、彼らは土地も財産も失った「難民」のはずです。

つまり、損失と傷を負った人たちです。

しかし、人生のマイナスはプラスに転じます。

それは、「痛み」という共通部分で人とつながりが持てるからです。

どんな人にも「痛み」の部分があります。

それが精神的苦痛にせよ肉体的ハンディにせよ、人は同じ痛みを持った人に共感し、その痛みを和らげてあげようとします。

それが人の痛みを自分の痛みとすることであり、

「喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣きなさい」
(ローマ12:15)

という御言葉が実現する時なのです。

人間関係は人と共感する毎に深まります。

何かを失うことは、別の多くのものを得させていただけるチャンスとして神は用意しておられるのです。

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私事で恐縮ですが、自分の病気や身体のマイナス部分について書いてみます。

永久歯が出る頃、偏食だったのでカルシウム不足で私の前歯はギザギザです。

子供の頃から間違いなくうつ病でした。今もきちんとお薬を飲んでいます。

「このまま何もしなければ10年後の生存確率50%です」と言われた睡眠時無呼吸症候群の重症患者です。

腰痛持ちで、用心していても冬の初めは寝込みます。

視力0.02のド近眼の上に乱視で、最近は老眼です。

認知症も加わったのか(?)老眼用のメガネをどこに置いたのか忘れるので、格安メガネを3つ買って各部屋に置いています。

これらにプラスして私は引きこもりです。3日間家から一歩も外に出なくても問題ありません。むしろホッと安心して過ごせます。

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さて、振り返ってみると、これらのことで私の人間関係は飛躍的に広くなり、しかも浅いお付き合いでなく深いつながりを持ったものとなりました。

まず、病気つながりで一瞬にして人間関係が結べるのには驚きます。

「あなたも!」

「ええ、私もです。苦労してます」

これで同じ戦いをしている味方同士ということになり、人付き合いの垣根が取れたことが数限りなくあります。

また、引きこもりなのでめったに外出はしません。

その結果、

「いつ行っても先生がおられるから安心だ」

と教会員から言われ、たまに一般向けの講師として出向く時には

「地元密着型の活動をされ、地域の発展のために貢献しておられる」

という講師紹介をされるようになりました。

あれあれ、私のほうがびっくりです。

人生のマイナスと見える部分には本当に苦しめられ、なんとかそれを無きものとしようと格闘し、疲れ果て、諦めるほかないと思うものです。

しかし、それらは神にあって無尽蔵のプラスへと変えていただけることを私は実感しています。

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神の御手に委ねる時、やがて全てが輝き出す時がやって来ます。

今日の一日のひとつひとつを神の御手にお任せして参りましょう。

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