今日のみ言葉【No.1652】(2017年11月20日)「 みこころが天に行われるとおり」
だから、あなたがたはこう祈りなさい、天にいますわれらの父よ、御名があがめられますように。御国がきますように。みこころが天に行われるとおり、地にも行われますように。
(マタイ6:9-10)
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イエス・キリストは私たちの人生に関わる大事なことで、今まで隠されていたものを明らかになさいました。
そのいくつかが有名な「主の祈り」の中に表されています。
まず、神は「天にいますわれらの父」だという啓示です。
神はどこか遠いところにいるかけ離れた存在ではなく、私たちと密接な関係がある「父なる神」だとイエス様は知らせて下さいました。
これは旧約聖書で示された恐れ多い神のイメージとは全く違った神の姿です。
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これだけでも驚くべきことなのに、イエス様はもっと驚くようなことを大っぴらにおっしゃいました。
それは、この世で神の御心がなされていない、ということです。
「みこころが天に行われるとおり」と言っておられますから、天において父なる神の御心は完全になされています。
しかし、その次に「地にも行われますように」という祈りをしなさいという勧めがなされています。
つまり、地上において御心は不完全な状態なままだというわけです。
だから祈れとおっしゃっているのです。
イエス様は聖書の他の箇所で、この世において神の意志が全うされておらず、理不尽な状況がまかり通ることに耐えなければならないことを語っておられます。
「ああ、なんという不信仰な、曲った時代であろう。いつまで、わたしはあなたがたと一緒におられようか、またあなたがたに我慢ができようか」
(ルカ9:41)
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私はこの箇所を読むとホッとします。
なぜなら、
「祈りが聞かれない」
「聖書の言葉通りにならない」
「悪いことを要領よくやって得をする人たちに利用される」
ということを毎日のように体験しますが、それは神様から見放されているからではなく、イエス様時代からある当たり前のことなのだとわかるからです。
この世の一部では御心がその通りなされ、一部ではなされていません。
その不完全な状態の中にある「この世」というものをそっくりそのまま受け入れ、そして、
「みこころが天に行われるとおり、地にも行われますように」
(マタイ6:10)
と祈り続け、神の国の支配がこの地上に及んでいくように、少しでも多くの人の心に神の愛と救いを届けることがこの時代を生きる目的なのです。
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このことを基盤に、私がスクールカウンセラーとして心がけていることは、安易に答を教えないことです。
実は話をじっくり聞いているうちに、「こうすれば直る」という解答は案外簡単に出てくるものなのです。
たとえば高校生に向かう時、
「もっと自己主張すればいい」
とか
「いじめの事例は多いのだから、担任の先生に相談してみたら?」
等々、今すぐやれば効果歴然という答が頭に浮かびます。
しかしこのような答は全くと言っていいほど役に立ちません。
生徒さんたちがやろうとしても出来なかったことを再び強制していることになるからです。
事態を切り開くのは、不完全なものをそのまま受け入れ、
「みこころが天に行われるとおり、地にも行われますように」
という思いを込めた次の質問です。
「そんな大変な状況の中を、あなたはどう切り抜けているの?」
現在の状況に模範解答を無理やり当てはめようとせず、その中に神の光を見出そうとする手法です。
すると、
「寝る」
「ガンガン音楽を聴く」
「親は存在しないものと思い込む」
「スルーする」
と、彼らなりの対処法を話してくれます。
そこで、
「あなたは今回、そういう方法で自分を守る術を身につけたんだ。それはスゴイ事だよ」
と承認して差し上げるのです。
今まで自分のやり方を
「そのままではダメだ」
と批判されて、
「こうやりなさい」
と直そうとされるばかりの状況の中、
「あなたのそのままでよい。それは素晴らしいことだった」
と受け入れられ、そこで意識の中に光が与えられて今まで見えなかったものが見えるようになるのです。
人は
「ああ、私これでもいいんだ」
と思えた瞬間に問題から逃げることをやめます。
問題を直視する勇気が湧くのはそれからです。
神の支配はそうやって及んでいくのです。
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地に御心がなされるように祈る今日として参りましょう。
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