今日のみ言葉【No.1642】(2017年11月 8日)「 世界は準備されている(3)」

その夜、主がパウロに臨んで言われた、「しっかりせよ。あなたは、エルサレムでわたしのことをあかししたように、ローマでもあかしをしなくてはならない」。
(使徒23:11)

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中学校の英語の時間に

“Every Jack has his Jill."「どんなジャックにもジルがいる」

という英語のことわざを習いました。

ジャックとジルは典型的な男女の名前ですから、日本的に言えば「どんな太郎にも花子がいる」となります。

このことわざの意味は「割れ鍋に綴じ蓋」だと先生が教えてくれました。

結婚してみて「あの先生が言ったことは本当だったなぁ」としみじみ実感しています。

もうひとつ。

“All roads lead to Rome."「すべての道はローマに通ず」

どんな辺境の地にも速やかに馬車と兵士を送ることができるように張り巡らしたローマ帝国の道路のことです。

この軍事目的に作られた道路が、神の手によって福音を伝える平和の道路となりました。

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イエス・キリストが降誕した時代は、アレクサンドロス大王後に起こったローマ帝国の時代でした。

強大な軍事力によってローマは当時の全世界に支配の手を広め、あらゆる国々を征服しました。

そして、馬車2台が行き違える設計の幅4メートルの石畳の道路、その両脇に幅3メートルの歩道が造られ、帝国内のあらゆる内紛はこの幅広い舗装道路を走る軍隊によって短期間で鎮圧されました。

イスラエルもローマ帝国の属国となっていましたから、その命令に従わざるを得ません。

「そのころ、全世界の人口調査をせよとの勅令が、皇帝アウグストから出た」
(ルカ2:1)

ヨセフが身重のマリヤを連れてベツレヘムに帰り、そこでイエス様が誕生したのにはこのような背景があります。

「ヨセフもダビデの家系であり、またその血統であったので、ガリラヤの町ナザレを出て、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。それは、すでに身重になっていたいいなづけの妻マリヤと共に、登録をするためであった」
(ルカ2:4-5)

何ゆえこんな苦労と危ない思いをしてベツレヘムに向かわなければならないのか、二人は考えもつかなかったでしょう。

ただ単なる税の徴収の目的のために強制的に移動しなければならなかったのです。

しかしそれはその750年前のミカの預言の成就でした。

「しかしベツレヘム・エフラタよ、あなたはユダの氏族のうちで小さい者だが、イスラエルを治める者があなたのうちからわたしのために出る。その出るのは昔から、いにしえの日からである」
(ミカ5:2)

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神は「なぜこんなことが…」という出来事をお用いになられます。

「なぜこんなことが起きるのを神は許しておられるのか?」という問いにすぐ答が与えられることは少ないですが、神は悪を用いて善に変えられる御方だと聖書は記しています。

「あなたがたはわたしに対して悪をたくらんだが、神はそれを良きに変らせて、今日のように多くの民の命を救おうと計らわれました」
(創世記50:20)

命を奪い合う戦争が神の御心に反していることは明らかです。

ところが現実を見ると、軍事目的に先導されてグングン進められた科学技術がたくさんあります。

飛行機しかり、ロケットしかり、原子力発電しかり。

いにしえのローマの道路もそのひとつでした。

しかし神はその結果を用いられ、福音の使者がそのメッセージを世界の隅々まで迅速に伝えられるようになさったのです。

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「なぜ?」という問いの向こう側に神は必ずしも答を用意されてはいません。

しかし、「なぜ?」という出来事の結果を自由自在に御心のためにお用いになられるお方です。

「ここから素晴らしいものが生み出されるに違いない」と信じ、神の御わざを見させていただくために精一杯自分の分を尽くす一日として参りましょう。

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